【キャリアクエスト】プログラマーとして「PSO2 ニュージェネシス ver.2」に携わるセガの若きホープ。グラフィックスで新たな表現にチャレンジする釘田尚弥さんにインタビュー | GameBusiness.jp

【キャリアクエスト】プログラマーとして「PSO2 ニュージェネシス ver.2」に携わるセガの若きホープ。グラフィックスで新たな表現にチャレンジする釘田尚弥さんにインタビュー

就活イベント「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」が6月30日(日)に開催予定。本記事ではこのイベントに合わせた特別インタビューをお届け!

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Game*Sparkと4Gamerは2024年6月30日、都内の秋葉原UDXイベントホールにて、就活イベント「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」を開催します。

本イベントは、26年卒、27年卒の大学生および専門学校生のゲーム業界を目指す学生を対象とした就活イベントです。これにあわせて、実際に現場で働いている現役社員に、“ゲーム業界を目指す学生のためのインタビュー”を行いました。

今回は株式会社セガに新卒で入社し、プログラマーとして4年目の業務をこなしている釘田尚弥さんから、ゲーム業界を選んだ理由や就職活動に対する心構え、実際の職場環境にまつわる話などを訊きました。

なお、本記事はGame*Sparkと4Gamerによって共同制作された連載記事となります。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP

アメリカ生活や屋久島での原体験から目指した「チャレンジングなグローバル企業としてのセガ」

4Gamer:本日は、よろしくお願いします。まずは自己紹介として、入社年度や部署などの経歴を教えてください。

釘田尚弥さん(以下、釘田さん):セガ第3事業部 第3オンライン研究開発プログラム1部 システム開発セクションに在籍している釘田尚弥と申します。2021年度にセガへ入社し、現在は4年目になります。

4Gamer: 現在はどのような業務を担当していますか。関わっているゲームタイトルについても教えてください。

釘田さん:現在は、オンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス ver.2」(以下、NGS ver.2)のシステム班で、グラフィックス周りのプログラムを担当しています。入社してからずっと「NGS ver.2」の担当で、所属するチームも変わることなく業務に携わっています。

4Gamer:過去のセガタイトルや、「ファンタシースター」シリーズ、「PSO2」シリーズが好きでセガに入社したのでしょうか。

釘田さん:正直に言うと、入社前までゲームはあまり遊んでいなくて。セガを志望した切っ掛けは、アメリカに住んでいた幼少期に、セガのロゴや製品を見る事が多かったからですね。グローバルで活躍している企業といった印象を持ち、大学に入ってから入社を志すようになりました。

4Gamer:ゲーム会社という点を強く意識した訳ではないんですね。セガへの入社を志望する人は、セガのゲーム好き、もといセガそのものに愛が深いイメージを持っていたので意外です(笑)。子供の頃のセガの印象を教えてください。

釘田さん:カリフォルニア州のロサンゼルスに5年間ほど住んでいたのですが、「ソニック」関係のゲームタイトルは周囲でも人気があり、セガの国際的な知名度の高さを当時からひしひしと感じていました。

4Gamer:「ソニック」シリーズは好きでしたか。

釘田さん:知ってはいましたが、やはりプレイはしていなくて……。ゲームは、みんなとワイワイ楽しめるカジュアルなものを遊んでいた感じですね。任天堂のタイトルが多かったと思います。

4Gamer:そうなんですか(笑)。セガサターンやドリームキャストといった、いわゆるセガハードは触っていたのでしょうか。

釘田さん:その辺りは、日本に戻ってきてからになるのですが、「名前を聞いたことがある」程度なんですよ。アメリカにいたときは、メガドライブが人気だった記憶があります。

4Gamer:ほかに、アメリカで経験したゲームにまつわる思い出などはありますか。

釘田さん:引っ越したばかりの時は英語が分からず、他人とコミュニケーションを取るのが難しかったんです。そんな中、友達とはゲームのプレイを通じて仲良くなることもありました。ゲームは、言葉が通じなくても、一緒に楽しめることが多いですからね。

4Gamer:セガに入社する前と、入社した直後の印象についてお聞かせください。

釘田さん:入社前、セガはチャレンジができる環境だと聞いていました。その言葉には偽りがなくて、入社した今も色々な事にチャレンジできています。

4Gamer:チャレンジをしたいという思いは、学生のことからあったのでしょうか。

釘田さん:まずコンピューターグラフィックスに興味を持ったのは、中学生の時なんです。その頃に行った屋久島の景色が非常に印象深くて、それと同じくらい人の目を引く表現を作り出したいという思いが生まれたんですよ。大学院では、コンピューターグラフィックスの研究をしていて、人の目を引くゲームを作りたいという気持ちに変わっていったんですね。

4Gamer:人の目を引く表現であれば、絵を描いたり、写真を撮ったりとゲーム以外の方法もあると思います。なぜゲームを選んだのでしょうか。

釘田さん:屋久島の景色は、山に登った後に見えたものだったんです。山登りという過程の後、パッと視界が開けて、これまで見えなかったものが一気に見える。その体験は、ゲームに近いのかなと思っています。

また、「Electronic Entertainment Expo」(以下、「E3」)などで公開されたゲームのプレゼン映像も、ゲームとコンピューターグラフィックスの仕事を目指すようになった、切っ掛けのひとつです。 海外のタイトルになるのですが、グラフィックスの美しさと演出の素晴らしさで、見ているだけで非常に感情が高まったんですよ。

4Gamer:屋久島で得た感覚と同じようなものを、ゲームの映像でも得たことがあったと。

釘田さん:そうですね。ただ入社してからしばらくは、ゲームの作り方を学ぶという意味もあってアクション周りのプログラムを担当していました。こちらの作業も面白かったのですが、やはりグラフィックス周りを担当したくて。ずっと「グラフィックスに携わりたい」と言い続けていたら、3年目くらいから関係業務に関われるようになりましたね(笑)。

4Gamer:直接的な開発作業以外で、チャレンジしたことや、してみたいことはありますか。

釘田さん:最近は、「Special Interest Group on Computer Graphics」、通称「SIGGRAPH(シーグラフ)」という、CGを扱う分科会に参加しています。また「NGS ver.2」の開発では、ハウジング系コンテンツ「クリエイティブスペース」で担当したグラフィックス表現について、「SEGA TECH Blog」への寄稿もしました。

「PSO2ニュージェネシス」における雪原の跡付け表現について - SEGA TECH Blog

もともと自己発信をしたいという考えも持っているんです。それを会社に伝えていたところ、これらに参加する機会を作ってもらえたんですよ。

4Gamer:多少時間がかかることがあっても、基本的に希望したことが実現できているわけですね。

釘田さん:しっかりと情熱を持って伝えていれば、いつかは希望の部署に入ることができると思いますし、いつかは叶うような場所ではあるのだと思います。

セガマニアではない開発者による新たな視点のゲーム制作とそれを支えるセガの社風

4Gamer:セガに入社した後、基礎研修のようなものはありましたか。

釘田さん:グループ全体の新入社員を対象に、1か月くらいの研修がありました。そこで社会人としての研修を受けてから、各部署に配属されて新人研修を受けることになります。新人研修では、ゲームエンジン「Unity」によるミニゲームのチーム開発を経験しました。

4Gamer:どのようなゲームを制作したのですか。

釘田さん:同期9人で、ボールを引っ張って打ち込むビリヤード風のミニゲームを作りました。ボールの挙動を再現し、ゲームならではの必殺技・特殊能力のようなスキルも実装したんですよ。またオンライン対戦にも対応しています。これは、オンラインの研究開発が必要な部署ということもあって、そのようなお題があったからですね。

4Gamer:入社したばかりでゲームを完成させられるのはすごいですね。

釘田さん:スケジュール的にギリギリな時もあったのですが、チームメンバーのおかげで間に合った部分もあると思います。この研修は3か月間続きまして、1か月ごとに1作品を作るような流れでした。

4Gamer:研修の経験は、現在の業務に活かせていますか。

釘田さん:チームで働く際に必要なことを学べてよかったです。グラフィックス関連の開発では、デザイナーさんとやり取りすることが多いのですが、何かを伝えるときにプログラマー目線で話すと伝わらないこともあるんです。研修中も、相手に伝わるように話すことが大事だったので、今でも研修を思い出しながら、言葉を選んだり視覚的な情報も合わせたりして説明するようにしています。

4Gamer:研修のときに一緒だった人たちとは、いまでも一緒に作業をしているのですか。

釘田さん:チームが違うので、一緒に作業することはないですね。ただ研修があったことで絆が深まったかなと思います。昨日も飲みに行きました(笑)。

4Gamer:学生の頃は、あまりゲームをプレイしていなかったそうですが、入社してからは遊ぶようになりましたか。

釘田さん:担当タイトルである「NGS ver.2」への思い入れが非常に深くなり、プレイヤーとしても楽しんでいます。

4Gamer:「NGS ver.2」でお気に入りのクラス(職業)はありますか。

釘田さん:最初にプログラムの実装部分を担当した「スレイヤー」ですね。アクションを担当しているときは、「テクター」や「フォース」の技を作ることもありました。グラフィックスのチームに入ってからは、クリエイティブスペースにおける雪の跡付け表現などを担当しているので、その辺りにも思い入れがあります。

4Gamer:「NGS ver.2」以外でプレイしているゲームはありますか。

釘田さん:グループ企業である、アトラスの「ペルソナ3 リロード」は先日プレイしました。他社の作品は、「Horizon」シリーズをかなり遊んでいます。最近だと「ストリートファイター6」でしょうか。社内にゲームを遊べるブースがあるので、昼休みに同僚と毎日対戦しています。

4Gamer:就職してからのほうが、ゲームのプレイ時間が増えていそうですね。

釘田さん:そうですね(笑)。先ほど話したように、友達と遊ぶパーティーゲームのような作品は昔から遊んでいたのですが、ひとりで没頭するようなゲームは入社してから触るようになりました。

4Gamer:セガに入社し、実際にゲームを作ることとなって大変だなと思ったことを教えてください。

釘田さん:「NGS ver.2」は運営年数が非常に長いこともあり、プログラミングのコードの膨大な量になっています。最初は、「どこから、そして何から手を付ければいいか分からない」状態となり、非常に困りました。

ただ先輩方が「ひとつひとつ目の前のことをやっていけばわかるようになるよ」と言ってくれたんです。分からないことは、すぐに教えてくれるので、かなり早いタイミングで仕事に慣れましたね。今でも、分からないことは何でも聞くようにしています。

4Gamer:「分からない部分を相談しにくい」といったことはありませんでしたか。

釘田さん:セガにはコーチ制度というものがありまして、入社後1年間はコーチに付いてくれた人から「何か困ったことない?」と聞いてくれるんです。それもあって聞きにくいということはあまりなく、非常に相談しやすかったです。

4Gamer:いつでも相談できる人がいるのは、新人にとって心強いですね。

実際に体験したセガの環境とゲーム開発者としての今後について

4Gamer:現在の職場環境について、どのような印象を持っていますか。

釘田さん:働きやすく、周囲の人が非常に優しく相談しやすい環境だと思います。そして、いろいろな事に挑戦もできる点もいいなと。ゲーム企業、エンタメ企業といった部分もあってなのか、自分のデスクにフィギュアなどを飾っている人も多く、見た目的にも賑やかな雰囲気がありますね。昼休みにゲームで遊べたり、社内で共通の話題が多いので、色々な人と話も盛り上がります。

4Gamer:社内の食堂も立派ですよね。

釘田さん:そこもいいところですね。最近はメニューが変わって、毎週スペシャル料理のようなものが用意されるんです。それが楽しみでもあります(笑)。

4Gamer:過去にアルバイトなどで経験してきた職場と比べた場合はいかがですか。

釘田さん:学生の頃は、コンビニエンスストアや趣味が高じてボルダリングジムのインストラクターのアルバイトなどをやっていました。職種が異なるので単純に比較はできませんが、とにかくセガは働きやすい環境だと思います。

4Gamer:開発職は忙しいイメージがありますが、趣味の時間は取れていますか。

釘田さん:ボルダリングは、いまでも趣味として続けています。現在、熱中している「ストリートファイター6」は、ボルダリングに似ている部分もあるので、その影響で余計にのめり込んでいたりします。自分ができないことをどんどん克服していくところが似ているかなと。

4Gamer:ゲームも趣味になってきたんですね。好きなことを仕事にすることについて、どう捉えていますか。

釘田さん:とても幸せなことだと思っています。自分の作りたいものや表現したいものをそのまま仕事につなげられますし、表に出したときの反響も直接見ることができるので、そこが非常に幸せだと思います。

4Gamer:今後、社内の業務を通してチャレンジしたいこと。既に思い描いているビジョンがあればお聞かせください。

釘田さん:まずはグラフィックススプログラマーとして技術を伸ばしたいと思っています。そして新しい表現というものを作っていきたいですね。後は、社内外でも発信も続けていきたいです。「SEGA TECH Blog」などへの寄稿に加えて、「CEDEC(Computer Entertainment Developers Conference)」の講演、あと個人的な人生目標のような部分でもあるのですが、英語ができるので海外の舞台でも発表ができるようになりたいです。

4Gamer:セガのメンバーとして経験を積み重ねていきたいということですね。

釘田さん:プログラミングが一番楽しいと思っているので、セガのエンジニアとして目標に向かっていきたいです。

4Gamer:最後に、ゲーム業界での就職を志す学生に向けたアドバイスをお願いします。

釘田さん:興味があるものに対しては、妥協せずにチャレンジしてほしいです。学生のときににしか培えない絆もあると思いますし、制作にも活かせることがあるかもしれないので、勉強はもちろん、色々な遊びや体験も大事にしたほうがいいかなと。そして、そこで得た思いを胸に、社会へと飛び出すチャレンジをしてください。

4Gamer:本日は、ありがとうございました。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP
《ライター:F5、菊地将平/カメラマン:増田雄介@Game*Spark》

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