受託開発の行く末を占うトーセの成長戦略に注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】 | GameBusiness.jp

受託開発の行く末を占うトーセの成長戦略に注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】

10月は受託開発大手のトーセや、カジュアルゲームに注力しているワンダープラネットなどが本決算の発表を迎えます。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

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受託開発の行く末を占うトーセの成長戦略に注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】
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10月は受託開発大手のトーセや、カジュアルゲームに注力しているワンダープラネットなどが本決算の発表を迎えます。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

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取引先のプロジェクト中止の影響を真正面から受けたトーセ

10月10日はトーセが本決算の発表を行います。

2024年に入り、スクウェア・エニックス・ホールディングスやバンダイナムコホールディングスなど、大手企業が立て続けにゲーム開発プロジェクトの中止や見直しを決定しました。ゲーム開発にかかる投資額が膨らんでいる一方、ゲーム市場の過熱や余暇時間の取り合いによってヒット作を生み出す難易度が上がっていることが要因のひとつとみられます。

すでに国内のモバイルゲーム市場は縮小しはじめているともされており、ゲーム業界全体のプロジェクト数が減るのは、中期的なトレンドとなるかもしれません。

その影響を受けているのが受託開発大手のトーセ。2024年8月期3Q(2024年3月1日~2024年5月31日)に複数の開発案件が中止。第3四半期累計(2023年9月1日~2024年5月31日)の売上高は前年同期間比27.6%減の32億4,300万円となりました。5億9,900万円の営業損失(前年同期間は4億4,700万円の営業利益)を出しています。通期黒字から一転して赤字見通しに切り替えました。

トーセはフィリピンのオフショア開発拠点の撤退など、経費削減を進めています。

通期決算発表においては、逆風が吹き荒れる2025年8月期以降の成長に向けた青写真をいかに描くか。そこが最大の注目ポイントとなるでしょう。


ワンダープラネットは2期連続の純損失から抜け出せるか?

10月15日はワンダープラネットが本決算を発表します。

2024年3月に『ジャンプチ ヒーローズ』がサービスを終了。更に主力タイトルである『クラッシュフィーバー』の減衰が顕著となり、2024年8月期第3四半期(2023年9月1日~2024年5月31日)の売上高は前年同期間比35.5%減の16億3,900万円となりました。

しかし、外注費や人件費の削減を進めており、同期間は4,700万円の営業利益(前年同期間は1億2,900万円の営業損失)、300万円の純利益(同2億1,300万円の純損失)を出しました。

組織のスリム化を進める一方、ゲーム開発には積極的。2024年6月にゲームフリークとの共同開発案件であるカジュアルゲーム『パンドランド』をリリースしました。2025年以降も年1本程度を目途に新規リリースを行うとしています。

ワンダープラネットのようにミッドコアゲームを中心に開発を進めてきた会社が、収益性の悪化などの要因によってカジュアルゲーム、ハイブリッドカジュアルゲームへと進出してビジネス構造を変えようとする試みが潮流の一つとなりつつあります。

リリース時に多額の広告費を投じてゲーム内課金で刈り取りを行う垂直立ち上げ方式を改めた先で、筋肉質な収益構造を作ることができるのか。そのビジョン示すタイミングとなるでしょう。

イオンファンタジーの「カプセル横丁」は増収に寄与するのか?

10月9日はゲームセンター運営のイオンファンタジーの上半期決算発表日。

同社はコロナ禍以降の中国景気の急速な冷え込みが悪材料となっています。2025年2月期第1四半期(2024年3月1日~2024年5月31日)の中国事業は、7億2,900万円の営業損失(前年同期間は5億5,800万円の営業損失)でした。中国事業は2割近い減収により、赤字幅は拡大しています。コロナ前は中国進出に注力していただけに、その反動も大きくなりました。

しかし、国内とアセアン(マレーシア、ベトナムなど)は好調。2025年2月期第1四半期の国内は1割近い増収、アセアンは2割を超える増収でした。利益もしっかり出ています。

国内で成長をけん引しているのがカプセルトイとプライズゲーム。イオンファンタジーは従来型を進化させた大型専門店「カプセル横丁」を2店舗出店しています。第2四半期の決算発表においては、カプセルトイとプライズゲームにまだ伸びしろがあるのか。それを見極める材料の一つとなるでしょう。


証券コード

会社名

決算発表日

種別

決算期末

4343

イオンファンタジー

10/9

第2四半期

2/28

3907

シリコンスタジオ

10/10

第3四半期

11/30

4728

トーセ

10/10

本決算

8/31

4763

クリーク・アンド・リバー社

10/10

第2四半期

2/28

3760

ケイブ

10/11

第1四半期

5/31

3815

メディア工房

10/11

本決算

8/31

6047

Gunosy

10/15

第1四半期

5/31

7610

テイツー

10/15

第2四半期

2/28

3810

サイバーステップ

10/15

第1四半期

5/31

3935

エディア

10/15

第2四半期

2/28

4199

ワンダープラネット

10/15

本決算

8/31

7035

and factory

10/15

本決算

8/31

《不破聡》

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