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ストリーマー・動画配信者のマネジメントやeスポーツ選手の育成などを担うTFOAは、プロゲーマーやストリーマーを目指す人たちにインフラ(プレイ環境/配信環境)を提供する新機軸の賃貸物件「CREATORZ WORLD ゲーミングハウス」を発表しました。2025年春から一都三県で入居が始まり、段階的に全国へ展開予定です。
インフラを提供することで国内のプロゲーマー、ストリーマー輩出を促進
メディア向けの発表会では、TFOA代表取締役の島津秀和氏が登壇しました。島津氏は、日本のゲーム人口は5,500万人に達しており、さらに拡大し続けている右肩上がりの市場であると紹介。市場を支えているのはゲーム実況やライブ配信などのストリーミングコンテンツであると指摘しました。
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しかし、話者人口の違いで市場規模には大きな差があり、日本語で活動するストリーマーと英語で活動するストリーマーにはフォロワー数や得られる利益に埋めがたいギャップが存在します。
一方、都内でオンラインゲームをプレイしている20~30代の男女300名にTFOAが独自に行った調査によると、ゲーミングPCでプレイしている層は4割弱、スペックで劣る一般的なPCでプレイしている層は5割強という結果に。さらに、全体の5割がPCのスペックや回線速度に不満を、3割が音質・防音に不満を感じていました。
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TFOAは、日本と海外のゲーマー/ストリーマーの差を埋めるには「インフラ環境」と「(ストリーマーやプロゲーマーなどとして)収入を得られる仕事環境」を整える必要があると判断。それを両方とも解消するのが“ゲーミング賃貸”である「CREATORZ WORLD ゲーミングハウス」だとしました。
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空き家を利活用できていない不動産オーナーにもアピール
「CREATORZ WORLD ゲーミングハウス」は、独自のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を提供するブロードエンタープライズとのタッグで提供されます。
BRO-ZEROはスマートフォン端末の販売などでも利用されている「債権の流動化」に着目し、売上の債権を金融機関に売却して現金化することで設備や投資にかかる初期費用を0円にするスキームです。
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今日は人口の減少と地方都市の過疎化で空き家の数が年々増加しており、空き家を相続してもうまく利活用できない不動産オーナーも多く存在します。
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ブロードエンタープライズ 常務取締役である畑江一生氏は、そうしたオーナーが手持ちの空き家を初期導入費用ゼロ円でゲーミングハウスにリノベーションすることで、ゲームに適した住居に強い興味を持つゲームファンやプロゲーマー/ストリーマー志望者たちへ訴求できるとしました。
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「CREATORZ WORLD ゲーミングハウス」は豊島区でショールームを展開中
「CREATORZ WORLD ゲーミングハウス」は2024年10月に豊島区でワンルームマンションをリノベーションしたショールームが構えられており、ルームの一室が近未来感のあるデザインに仕上げられているのが大きな特徴です。
この部屋が醸し出す非日常感がゲームへの没入感を助けてくれるほか、オリオスペックの特注による壁掛けPCはCPU:intel Core i9 14900K、メモリ:DDR5 64GB、GPU:GeForce RTX 4080Super、SSD:2TB、電源:1000Wとハイエンド仕様。125万円相当のPCが家賃に含まれています。
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入居者は希望すればマネジメント契約を結ぶこともでき、上述のPCや配信設備を含む機器のメンテナンス、食生活のサポート、ストリーマーになるためのノウハウ提供、プロチームへの斡旋などのプログラムも提供されます。
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メディア向け発表では、相模原eスポーツ協会理事長の山口秀雄氏も登壇しました。同市では月に2回ほどのペースでeスポーツを介した交流・体験イベントを実施しているものの、参加者は10代前半の子供と40台以降、そして高齢者が多く、10代後半、20~30代の数が少ないと実感しているとのこと。
eスポーツは地域交流・多世代間交流のよきツールとなるので、まずは大人がeスポーツをしっかりと理解し、環境・場所・知識などを提供することにこれからも努めたいと語りました。
最後は、発表会に登壇した4名によるトークセッションが行われました。eスポーツキャスターのOooDa氏は「ショールームが公開されていますので、まずは実際に見てほしい。個人で用意すると何百万円かかるか分からない環境が整っています」とコメント。今回の「稼げるゲーミングハウス」から、ストリーマーやプロゲーマーが誕生する未来に思いを馳せました。
島津氏は「プロゲーマーやストリーマーを目指す人だけしか入居できないわけではありません。SF的な雰囲気がいいというゲームファンや、ハイスペックなPCを仕事で活用したい方なども歓迎します」と語り、さらに「安価に広い面積を確保しやすく、人が少なければネット回線も高速で安定する」と地方への拡大を見据えてアピール。畑江氏も「一般的に立地がよくない不動産は何か手を打たなければいけないが、ゲーミングルームというコンセプトは場所を選ばないのも魅力」と続けました。
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山口氏は日々の業務を通じて感じている、地域のコミュニティが少しずつ希薄になっていることに警鐘を鳴らしつつ「(全国各地のゲーミングルームから)eスポーツチームが生まれ、各地のコミュニティが活発になる未来に期待したい」と語りました。
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