■ブルーホール・スタジオ(韓国、ソウル)
今、韓国でもっとも期待されているMMORPGといえば、『Tera Online: The Exiled Realm of Arborea』でしょう。
『Tera Online』は、韓国・ソウルのブルーホール・スタジオで180名体制のチームで開発が進められていますが、競争の激しい韓国MMORPGの中でも、アンリアル・エンジン3の導入による技術面での強みと、クリエイティブなタレントの力で頭ひとつ抜け出た存在となっています。
ブルーホール・スタジオは、企業家のByung-Gyu Chang氏と、NCソフトで『リネージュII』の制作に携わっていたプロデューサー、リードゲームデザイナー、リードプログラマー、アートディレクター達によって2007年3月に設立された開発会社で、アンリアル・エンジンとは『リネージュII』以来の付き合いです。
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「アンリアル・エンジン3は素晴らしいゲームエンジンだし、我々のスタッフの大半はリネージュIIを通じて経験を積んでいる」と、ブルーホール・スタジオのリード・クライアント・プログラマーSung-joong Lew氏は語ります。
「アンリアル・エンジンはレンダリングや高度なパフォーマンスといった根本的な機能に加えて、生産性を高めるためのツール類を数多く提供してくれる。拡張性も最高だ。アンリアル・エンジン最大の強みは、『アンリアル・トーナメント3』や『ギアーズ・オブ・ウォー2』といったエピック・ゲームズのヒットタイトルの開発中に実装された機能が自動的にエンジンに組み入れられることだ。アンリアル・エンジンを使っている開発者は、エピック・ゲームズの最新テクノロジーを直接利用することが出来る」
テクニカル・アート・ディレクターのShin-hyoung Im氏によれば、彼のチームでは『Tera Online』のオープニングムービー制作にアンリアル・エンジンのキスメットとマチネを利用したそうです。
「アンリアル・エンジン標準搭載のフォンシェーダーによるディフューズ、ノーマル、スペキュラー、スペキュラー・パワーといった機能を使って、キャラクターの肌やコスチュームの色々な素材の質感を表現できるようにベストを尽くした。『Tera Online』で目指していた独特の色合いを表現するために、フォンシェーダーにも少し手を加えてチューンアップを行ったんだ」
多くのMMORPGと同様に、『Tera Online』でもプレイヤーが創造力を発揮できます。アンリアル・エンジン3のビジュアルパワーを最大限に利用することで、一人ひとりのプレイヤーキャラクターを徹底的にカスタマイズすることが可能となりました。
Lew氏によれば、「アンリアル・エンジン3のおかげで、我々のテクニカル・アーティストが様々な素材を自由に編集することが可能になり、見た目のバリエーションが飛躍的に増えた」とのことです。
奥が深く、なおかつ直感的なカスタマイズは、最新のMMORPGでは当たり前のものになっていますが、Tera Onlineでもプレイヤーキャラクターの顔・髪型・声・服装・武器・道具や種族ごとのオプションを自由に選択できます。それ以外にも、肌の色や髪の色、タトゥー、アクセサリーやメイクアップの変更が、マテリアルパラメーターの調整という形で可能になっています。
アンリアル・エンジン3のモジュール化機能により、戦闘システムに必要な機能を容易に実装することが出来たそうです。Im氏によれば、アンリアル・エンジンのツール類のおかげでリソースの管理も非常に容易だったとのことです。
ブルーホールによれば、同社がアンリアル・エンジン3を最大限に活用することが出来たのは、チームのコアメンバーが過去のプロジェクトでアンリアル・エンジンの経験を積んでいたことに加え、アンリアル・ディベロッパーズ・ネットワーク(UDN)とエピック・ゲームズ・コリアによるサポートが非常に役立ったといいます。
『Tera Online』は3年以上の時間をかけてソウルで開発が進められていますが、開発開始当初から全世界のMMORPGマーケットをターゲットにデザインされていることも、アンリアル・エンジン3が採用された理由のひとつです。
アソシエイト・プロデューサーのHarns Kim氏は、「韓国のMMOマーケットは非常に競争が激しい。韓国市場で期待されているのは、いくつかの新要素が入っているだけのタイトルではなくて、ゲーム全体のクオリティが非常に高いキラータイトルだ。『Tera Online』はそういった期待に完全に応えられるように開発を進めている。開発のごく初期から、世界市場をターゲットに想定してきたんだ」と語ります。
ますます増加しつつあるアンリアルエンジン3採用の最新MMORPG。その中でも、『Tera Online』は「世界標準」MMOの最先端となることでしょう。