The Guardian Projectでは厳しい納期の他にも、予想外の展開が待ち受けていました。NHLオールスターゲームでショートフィルムが公開されるわずか48時間前に、ある外部ベンダーがショートフィルムの内容と噛み合わない画像6点を納品してきたのです。普通ならとても対応できない状況ですが、アンリアル・エンジンを使っていたおかげで、HOMは公開直前でもショートフィルムの内容を修正することができました。HOMのチームは必要な変更を加えてアンリアル・エンジン上で再度レンダリングを行い、修正したファイナル版を間に合わせることが出来ました。アンリアル・エンジンを使用していなければこのタイミングでの修正は不可能だったと、Peter Krygowskiは話します。
Peter Krygowskiは今後さらに多くのハリウッドの制作スタジオがアンリアル・エンジンを使うようになるだろうと予測しています。スケジュールの短縮と試行錯誤のための反復を両立させることが可能になる上、ゲームや放送といった異なるメディア間で同じアセットを共有するのにもアンリアル・エンジンは最適だからです。
HOMの制作担当ヴァイス・プレジデント Brian Rauschは、「キャラクターやマップをゲーム用やTVシリーズ用に制作する場合、異なるメディア間でCG素材がスムーズに流用できるよう十分に配慮しなければなりません。最初からゲームエンジン上でモノを作ってしまえば、選択肢が大いに広がるのです」とコメントしています。
《河崎高之》