E3開幕前の5月、アメリカでは注目すべきイベントが行われていた。The Cable Show 2012、全米のケーブルテレビ事業者が集まるビジネスショーだ。アメリカでは全世帯の約6割に普及していたケーブルテレビだが、この数年「コードカッター」に悩まされてきた。コードカッター=線を切る人。ケーブルテレビの解約者が激増していることにから生まれた俗語だ。
「コードカッター」を少しでも減らすため、同ショーでケーブルテレビ大手5社が、各社が展開する約5万か所のWi-Fiホットスポットを自由に使えるに提携したことを発表した(参考記事:The Wall Street Journal)。しかし、ケーブルテレビによる放送の根本的な手直しにはなっていない。むしろ、ライバルとも言える通信を頼りにした施策だ。
ハードウェアの販売台数だけではない。今後の展望がしっかりと見えているからだ。Xboxの開発段階のコードネームは、DirectX based Console Machineと呼ばれていた。つまり、Windows PCで開発でき、将来はPCでも遊べることが念頭に置かれていた。また、ビル・ゲイツは1994年にラスベガスで開催されたコムテックス(COMDEX)で、インターネットに接続されたオン・デマンド型のテレビの登場を予見しており、セット・トップ・ボックスの必要性を基調講演で訴えていた。