◆佐渡島でのリアルイベントも企画進行中!
――佐渡金山遺跡群とのコラボレーションについておうかがいできればと思います。コラボを思い立ったのはどういったきっかけだったのでしょうか。
御影話のテーマや場所のイメージ、その物語で何を成したいか……シナリオはそういったきっかけがあればあるほど書きやすくなります。そこで、まずは作中で罪を償う舞台を決めようと、日本全国を回りました。いくつか目星をつけた中で候補に挙がったのが佐渡金山の「北沢浮遊選鉱場跡」です。そして、まず管理・運営をしているゴールデン佐渡さんに「ゲームの舞台として使わせていただくことは可能でしょうか」とおうかがいを立てたのがそもそもの始まりでした。
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ゲームをきっかけに"聖地巡礼"をしてくれる方が出てくれるかもしれないこと。それにより、ときにはトラブルが起きることもあるかもしれないこと。メリットだけではなく、リスクも発生してしまいかねないことをきちんとご説明させていただかなければと。
――名畑さんにもお話をうかがえればと思います。まずは、佐渡金山に関する基本的なことからお教えいただけますか。
名畑佐渡金山は日本最大級の金銀山で、佐渡の観光地の最たるものです。1601年に開山したとされており、資源枯渇による操業休止が1989年ですので、約400年間にもおよぶ歴史を持っています。
――本作では、北沢浮遊選鉱場跡が舞台として採用されるとのことですが。
名畑北沢浮遊選鉱場は、元々銅の製造過程で行われていた"浮遊選鉱法"を日本で初めて金銀の採取に応用し、実用化に至ったという歴史を持つ観光地です。戦時下の大増産計画によって大規模な設備投資がされたという背景があり、今観光できる建造物はその頃に建てられたものになります。
――私は以前、島根に2年間住んでいたことがありますが、大田市にある石見銀山は同じく銀の採掘跡地として歴史的背景も含め世界文化遺産に認定されていますね。
名畑はい、私どもも登録されることを目指して日々努力しており、2010年に世界文化遺産の暫定リストに記載されたのですが、先を越されてしまいました(笑)。
――今回の取り組みで、多くの方に注目されるようになると素敵ですね! さて、今回のように「ゲームの舞台として使いたい」というお話は初めてではないでしょうか?
名畑おかげさまで「撮影させてもらいたい」、「取材させてもらいたい」というお声がけをいただくことはよくありまして、こちらとしてもメディアなどで取り上げていただけるのは大きな宣伝効果を持ちますので、できうるかぎりの協力をさせていただいております。
ですが、今回御影さんからいただいたお話は、詳細をうかがってみると「どうも"いつもの撮影(許可)"で片づけるには規模が大きそうだぞ」と。正直なところを申し上げますと、今私がこうして取材を受けさせていただいていることすら、うまくつかみ取れていない面もあります(笑)。
御影実際に訪れて驚いたのは、佐渡島は僕がイメージしていたよりもずっと広く、観光スポットもとても見ごたえがあったことです。1泊2日などではとても魅力を堪能しきれませんね。新潟港から乗った船も、観光客の方が大勢いて。でも、ご高齢の方が多かったですね。僕は今38歳ですが、周りを見ると僕くらいの世代すらほとんどいなくて。
――なるほど、20~30代の方はあまり佐渡島に来られていないと。
名畑40代の方でも若い部類に入るくらいだと思います。たまに若い方もお見かけするので「どうして来たのですか?」と聞いてみると友人がいたり、親類がいたりと何かしらの縁があってきてくださってるんです。
――そういった方々は佐渡島や北沢浮遊選鉱場を見られてどういった感想をお持ちになるのでしょう?
名畑とても見応えがあって、また来たいと嬉しい意見をいただけています。
――確かに、北沢浮遊選鉱場跡で検索して出てくる画像はとても見応えがありますね。ライトアップ(*)はかなりインスタ映えしそうです。
(*)参考サイト:黄金の島でラピュタ気分!佐渡「北沢浮遊選鉱場跡」ライトアップ(LINEトラベル.jp)
名畑そう言っていただけると嬉しいです! 本作を通じて、若い方たちにも佐渡島の魅力が伝わればいいなと思っています。
――きっと伝わりますよ! それでは改めてゲームのお話に。北沢浮遊選鉱場跡地は、どのような形で本作に登場するのでしょう。
与田物語の舞台は"準地獄"のほかに、現代より少し未来の日本の東京と佐渡が描かれます。近未来の東京が持つ都会的なクールさと、佐渡が持つ人間的な暖かみのコントラストを、ストーリーに生かしたいと思っています。そんな中で、北沢浮遊選鉱場跡地は物語上で最も重要な出来事が起こる舞台になる予定です。
――かなり重要な位置を占めそうですね。北沢浮遊選鉱場跡地を知っているとゲームがより楽しめそうです。
御影そうなんです。なので今、佐渡島で本作のリアルイベントを何かしたいよねという話を名畑さんとしているところなんですよ。佐渡島は新潟港からさらに船に乗らなければいけないので、どうしても旅費がかさみがちになってしまいます。それをどこまで抑えられるかなというのを、旅行代理店と打合せしています。
名畑そこまでして佐渡島を舞台にしたいと言っていただけるのが、私どもとしては嬉しいかぎりです。
――先程、1泊2日では回りきれないという話もありましたし、リアルイベントを通じて佐渡島の魅力を知ってもらって、何度も来てもらえるようになれば素敵ですね。ゲームにはその力があると信じています。
御影佐渡のイベントに参加することでゲームがより楽しくなる、佐渡を好きになってもらえるイベントを実現できないかなと奔走しています。
――私が以前島根県に住んでいたこともあり、インサイドではゲーム×地方という文脈でゲームがもたらす地域活性化に関する記事も多く取り上げていますが、本作が新潟にもたらすムーブメントにも期待しています! 特製のフライトジャケット製作やリアルイベントの企画など、ゲームを取り巻く要素も楽しみですが、気になるゲームの続報はいつごろになりそうでしょうか。
御影VR対応要素や、バトルなどのシステムを含むゲームの詳報とゲームを取り巻くさまざまな情報、どちらもあわせて4月下旬から5月下旬にかけて続報を出させていただく予定です!
与田先生、望月さんをはじめクリエイター陣が一球入魂で取り組んでくださっているので、僕はプロデュースに徹して潤滑油になれればと思っています。スマートフォン/PC用RPG『クリミナルガールズX』、およびその舞台となる佐渡島をよろしくお願いします! 今後は公式ツイッターでどんどん最新情報を出していきますので、フォローしていただけると嬉しいです!
<『クリミナルガールズX』公式ツイッター>
――本日はありがとうございました。今回のお話を聞いて、本作についてはもちろん、佐渡島にもとても興味がわきました! リアルイベントの際は、ぜひ遊びに行かせてください!
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