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2019年6月1日から6月2日の2日間にかけて、京都・みやこめっせにて開催された「BitSummit 7 Spirits」。今回は『クリプト・オブ・ネクロダンサー』(以下、『ネクロダンサー』)が『ゼルダの伝説』シリーズとコラボした、『ケイデンス・オブ・ハイラル: クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説』(以下、『ケイデンス・オブ・ハイラル』)が映像出展されました。
Game*Sparkは本作の開発チームにインタビューし、スパイク・チュンソフトでディレクターを務める二階堂利久氏、Brace Yourself GamesのCEOを務めるRyan Clark氏、同スタジオのリードデザイナー兼、プログラマーのOliver Trujillo氏に、コラボレーション実現までの過程をうかがいました。
意外なコラボが決まった経緯
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――『クリプト・オブ・ネクロダンサー』が『ゼルダの伝説』シリーズとコラボすることには驚きました。このプロジェクトはどのような経緯で実現したのでしょうか。
二階堂利久氏(以下、二階堂氏):Brace Yourself Gamesが『クリプト・オブ・ネクロダンサー』を作ったとき、最後にDLCを出そうと考えていたんです。そこでスパイク・チュンソフトとBrace Yourself Gamesの間で「これは『ゼルダの伝説』シリーズとコラボしてDLCを作ったら、面白いものができるんじゃないか?」という話が始まりました。そしてどんどんアイディアを広げていき、企画をまとめました。
そのままの勢いで「DLCで、『ゼルダの伝説』シリーズとコラボできますか?」と任天堂さんに企画を持っていったんです。そこで「こんなにアイディアを膨らませているなら、もうDLCではなく、一本の単体でゲームにできるんじゃないですか?」と言っていただき、『ケイデンス・オブ・ハイラル』の開発に入りました。
――任天堂さんも、とても協力してくれたんですね。
二階堂氏:もともと任天堂さんも『クリプト・オブ・ネクロダンサー』を気に入っていただいていて、話をしたときに盛り上がったのもあります。
――『ネクロダンサー』を開発していた当時、『ゼルダの伝説』シリーズとのコラボは想像していましたか?スパイク・チュンソフトさんで『風来のシレン』や『ダンガンロンパ』とコラボしていましたが。
Ryan Clark氏(以下、Ryan氏):実現できるとは思いもしませんでした。企画のきっかけは『ネクロダンサー』をリリースしてから、ファンが作った『ゼルダの伝説』のModが出たことです。
そのModはファンの間でもスタッフの間でも好評で、面白そうだと思ったんです。なので、ファンからのインスピレーションを受けたんですね。Brace Yourself Gamesとファンはすごく近い関係で、特別な存在でもあると思います。
そのModを見て、もし『ゼルダの伝説』シリーズとのコラボが可能になれば、『ネクロダンサー』のリズムアクションとうまく合わせられると分かりました。しかしスパイク・チュンソフト側と話をするまでは実現すると思いませんでした。今回コラボが実現できて、すごく光栄に思っています。
『ケイデンス・オブ・ハイラル』はどんなゲームか
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――改めまして、『ケイデンス・オブ・ハイラル』がどのようなゲームなのか教えてください。
Oliver Trujillo氏(以下、Oliver氏):『ネクロダンサー』をベースに、自動生成されたエリアで、リズムに合わせて動き、敵を倒していくゲームです。
『ネクロダンサー』は、基本的にはダンジョンを潜っていくことが主なゲームプレイでしたが、『ケイデンス・オブ・ハイラル』では、『ゼルダの伝説』シリーズでおなじみの地上世界も冒険します。地上世界を探検し、パワーアップしつつ、ダンジョンを探し、クリアしていきます。そこが『ネクロダンサー』とは大きく違う点ですね。
――『ゼルダの伝説』シリーズのような進行を組み込んでいるんですね。
二階堂氏:そうですね。ダンジョンを見つけたり、攻略するのも、プレイヤーが好きな順番に行くことができます。
――『ゼルダの伝説』シリーズと言えば謎解きですが、本作にも組み込まれていますか?
Oliver氏:謎解きは『ゼルダの伝説』シリーズでも重要な要素のひとつなので導入しています。たとえば、地上世界で特定の地点に行きたいと思ったときに、自分の周りの環境をどう利用して行けるのか、自分の手持ちのアイテムをどう使ってそこへ行けるのか、いろいろと考える戦略があるのです。謎解きも充実していると思います。
――『ネクロダンサー』ならではのリズムを利用した謎解きもありそうですね。
Oliver氏:ごめんなさい(笑)! そこは発売までのお楽しみということで。
『ネクロダンサー』チームが愛する『ゼルダの伝説』シリーズは?
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――『ゼルダの伝説』シリーズの中で、皆さんが特に思い入れのあるタイトルを教えてください。
Ryan氏:珍しいと思いますけど、私は『リンクの冒険』が好きですね。下突きアクションなどがすごく楽しくて、子供のころのいい思い出になっています。シリーズで一番好きなのは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』です。非常に広い世界を探索できるところが特に気に入っています。
――『ゼルダの伝説』シリーズでは、2D作品と3D作品のどちらがお好みですか?
Ryan氏:両方同じぐらい好きですね(笑)。2Dと3D、それぞれの理由で好んでいます。
Oliver氏:私は初代の『ゼルダの伝説』が好きです。子供のころに遊んだとき、それまでのゲームと違って世界が非常に広くて感動したんです。
シリーズで最も好きなタイトルは、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(以下、『神々のトライフォース』)ですね。初代『ゼルダの伝説』のいいところを拡張していて。ダンジョンなどなど全部よくできていて、ものすごく面白くなっていました。
――『ケイデンス・オブ・ハイラル』の画面を初めて見たとき、真っ先に思い出したのは『神々のトライフォース』なんですよ。音楽的に言えば「リミックスされてる!」みたいな。
二階堂氏:実は『神々のトライフォース』をグラフィックのベースにもしているんですよ。その他にも『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』などをもとに、グラフィックを考えています。『ネクロダンサー』よりも綺麗なグラフィックにパワーアップしています。
リズムゲームが他のジャンルと混ざりあう現在
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――『ネクロダンサー』はリズムゲームにローグライクのジャンルが混ざり合ったタイトルですよね。最近ではリズムゲームが、アクションなど様々なジャンルと混ざるタイトルが増えています。そんな状況についていかがでしょうか。
Oliver氏:そんなふうに実験的にゲームを作れることは、インディーゲームのいいところだと思っています。特にリズムゲームと他のジャンルを合体させたりするような、誰も試したことのない組み合わせも生まれると思いますので、いろんな発見があるでしょう。
――実際のところ、自分も『ゼルダの伝説』シリーズと『ネクロダンサー』が合体して、新しいゲーム体験が生まれるとは想像していませんでした(笑)。
Ryan氏:みんなもこういう機会があって、嬉しく思っています(笑)。
インタビューからは、スパイク・チュンソフトとBrace Yourself Gamesどうしの円滑なコミュニケーションや、『ゼルダの伝説』シリーズへのリスペクトがうかがえたほか、今回の企画のアイディアが、ファンの開発したModが関係していたなど、興味深いお話を語っていただきました。
リズムゲームとローグライクを組み合わせた『クリプト・オブ・ネクロダンサー』が、『ゼルダの伝説』シリーズとのコラボで、さらにゲームデザインを強化した『ケイデンス・オブ・ハイラル』。ニンテンドースイッチ向けに発売を予定しています。