サービス終了を急に告知した「Stadia」向けに開発していたインディーゲームデベロッパーから、無念の声が上がっています。
グーグルは9月末、海外向けクラウドゲーミングサービス「Stadia」を2023年1月18日付けで終了すると発表しました。発表は急なもので、ゲーム開発者にも事前に知らされておらず、困惑や嘆きの声が多く上がりました。Stadia版のローンチを2日後に控えていた『Tangle Tower』の開発者はメディア報道で事情を知るなど、グーグルの方針に多くのデベロッパーが混乱しました。
日本のデベロッパーである「Wonderland Kazakiri」もその被害を受けており、開発も完了、ストアアセットの準備も済ませて11月1日にリリースを控えていたStadia版『ダンジョンに捧ぐ墓標』が短期間の配信も不可能だということを確認し、無念のツイートをしています。
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Game*Spark編集部ではそんな渦中の「Wonderland Kazakiri」の担当者、譽田潔氏にメールでのインタビューを実施。その心境をお聞きしました。
――Stadiaのクローズはいつ頃知らされたのでしょうか?
譽田潔氏(以下、譽田氏)皆様同様にニュースで知りました。
――開発に対するコストが回収できるのかという不安も吐露されていましたが、何か打ち切りに対するサポートはあったのでしょうか?
譽田氏現状なにもありません。
――Stadia打ち切りに対するコメントがあればお願いします。
譽田氏開発も終了しており、配信するだけというところだったので残念でしかたありません。Stadiaは日本ではサービスしてないですが、事前の発表ではStadiaの熱心な海外ユーザーからは注目していただき、彼らに届けることを楽しみしていました。とても悔しいです。
――Stadiaに参入しようと思ったきっかけは?クラウドゲームとして展開する魅力をどこに感じられたのでしょうか?
譽田氏様々なユーザーにゲームをプレイしたもらいたい思いでマルチプラットフォーム展開をしていました。その中でクラウドならではのまた新たなユーザー層にリーチできる期待をしての参入です。
――Stadiaで実際に開発してみて、開発環境や開発のしやすさ(サポート環境など)はいかがでしたか?
譽田氏開発はUNITYなので、他のプラットフォーム同様といった感じだとおもいます。開発に関するサポートなどは良かったです。Stadiaならではのレギュレーションに関して他のプラットフォームに比べて厳しい感じはしました。
――既にマルチプラットフォームで展開する本作ですがStadia独自の機能などは準備されていたのでしょうか?
譽田氏全機種同様の体験を提供する目的だったので特別なものは準備していません。
――今後機会があればクラウドゲームでも展開したい考えはありますか?
譽田氏沢山の人にゲームをプレイして楽しんでもらいたいという思いで作っているので、クラウドだからという風には見ていません。PCやスマホがあればどこでもゲームができるという点はクラウドの1つの魅力だとは思いました。
ただ今回の件で、クラウド上でモノを買う(所有する)ことへの信頼感はなくなってしまったのではないかと感じました。弊社としても、どんなプラットフォームだろうと面白いゲームを作っていきたいとは思っています。ありがとうございました。
『ダンジョンに捧ぐ墓標』は、PC(Steam)/PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ/iOS/Android向けに発売中です。