『ドラゴンクエストタクト』のヒットで息を吹き返したAimingに黄色信号が灯っています。
2022年12月期第3四半期の売上高は前年同期間比5.8%増の97億2,500万円となったものの、営業利益は同66.8%減の4億1,600万円。利益が大幅に縮小しています。通期の売上高を前期比4.2%増の125億5,400万円、営業利益を同55.1%減の6億6,900万円と予想しています。4Qで利益はやや改善する見込みですが、今期の営業利益は半減する公算が高まりました。
Aimingは先行投資を重ねている印象がありますが、ヒット作を生み出すことができなければ、再び恒常的な赤字に悩まされるかもしれません。
ドラゴンクエスト効果も長続きせず
Aimingは2013年12月にリリースした『剣と魔法のログレス いにしえの女神』が大ヒットしました。2015年3月にマザーズに上場。上場前にベンチャー・キャピタルのジャフコなどから資金を調達しており、海外展開も意欲的に行っていました。2012年3月に台湾スタジオを設立。2014年12月に中国のIT企業テンセントと資本業務提携したと発表しています。
IPO時は比較的注目度が高く、初値は公開価格920円に対して12.2%高い1,032円をつけました。2015年5月1日に2,283円の高値をつけたものの、株価は振るわず現在は200円台で取り引きされています。
株価が軟調な背景に業績が不調なことが挙げられます。2016年12月期から2019年12月期まで4期連続の営業損失を計上しました。
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※決算短信より
2019年12月期の売上高は、業績が絶好調だった2015年12月期の半分ほどに留まっています。そのAimingを救ったのが『ドラゴンクエストタクト』でした。2021年4月に1,400万ダウンロードを記録しています。
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リリース後の2020年12月期の売上高は前期の2.1倍となる119億300万円。8億7,100万円の営業赤字から16億7,300万円の営業黒字へと転換しました。しかし、業績を伸ばし切ることはできませんでした。2021年12月期の売上高はほぼ横這いの120億5,400億円。営業利益は10.9%減の14億9,000万円。減益へと転じます。
2022年12月期は『ドラゴンクエストタクト』2周年記念。Aimingはその影響で増収だったと強調しますが、売上高は予想通り着地しても4.1%の微増。営業利益率は5.3%となり、前期と比較して7.1ポイントも悪化しています。