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ネクソンによるDMCA報告によってSteamストアページが削除され、警察による強制捜査も行われた『Dark and Darker』(以下、DaD)ですが、開発元のIRONMACEが疑惑に対するさらなる回答書を発表しました。
「ネクソンの主張には根拠がない」…IRONMACEが猛反論
IRONMACEはまず、ネクソンによる「ネクソンに著作権がある企業秘密情報をコピーおよび盗用して開発したものと思われる」という文書に、「根拠がない」と発表する回答書を公開しました。ネクソンは『DaD』が発表された6ヶ月後である2023年2月に商標を登録しており、これを侵害していると主張しています。
この問題の最大の争点は「『DaD』がネクソンで開発中止(方針転換)した『Project P3』を流用して作られたものなのか」という点です。これについて、いくつかの観点から反論が行われています。
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『Project P3』と『DaD』はどちらもUnreal Engineで制作されています。『P3』開発当時はプログラマー全員がUEの使用経験がなく、学習しながらコードを書いたといいます。
しかし、『DaD』の開発を進める上では『P3』のコードやアセットは役に立たないものであると主張。この主張を補強するため、プロジェクトが発足した2021年9月からのgit log(プログラムの変更履歴)も一部編集して公開しています。
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前回の報道でも伝えられたコンセプトアートの類似性についても反論を行いました。IRONMACE側は、両者とも「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を始めとしたファンタジーTRPGからインスパイアされているだけであり、ポーズや設定などは異なるものとして表現されていると述べています。
また、同社は「PvPダンジョンクロウルゲーム」の定義についてなぜかChatGPTに質問したログも掲載しています。ネクソンの主張を覆すための一つの手と考えられますが、そもそもゲームのジャンルには著作権による保護はなく、あまり有用ではなさそうです。
果たしてどちらが正しいのか
実際のところはまだはっきりとわからない状況ですが、現在のところネクソンは「明確に流用だ」といえる証拠は出せておらず、まだ疑惑止まりです。今回の反論内容に関しても、アートに関しては、実際に海外では「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の影響は非常に強く、『DaD』のルールやゲームタイトル自体にも影響が簡単に見て取れただけに筋道は通っているように見えます。
Steamで人気を得ていただけにショックの声も大きい今回の疑惑ですが、今後の動向にも注目が集まります。