『タッチ!ダブルペンスポーツ』はニンテンドー3DSで2つのタッチペンを使って遊ぶという奇抜な発想のゲームです。それを開発したインディーズゼロは任天堂電通ゲームセミナー出身の鈴井匡伸氏が率いるデベロッパーで、ゲームのパッケージ手法には定評があります。テレビ番組を元にした『ゲームセンターCX 有野の挑戦状』でも高い評価を受け、その事例は2009年のCEDECで発表されました。今回のセッションは鈴井氏とゲームプランナーの岡安司氏が登壇し、「奇抜なアイディアの収束的パッケージング手法〜『タッチ!ダブルペンスポーツ』の開発事例〜」と題した講演となりました。■奇抜さをどう活かすか『タッチ!ダブルペンスポーツ』は両手で2つのタッチペンを使うという奇抜さからスタートした企画です。しかしそれには課題が幾つかあります。まず技術的にはDSは2点タッチの場合、その中間を値として返すという制限があります。それを上手く回避する技術を特許として取得しています。また、UIデザインは奇抜だからこそ分かりやすいものにする必要があります。続いて、奇抜なものを馴染ませるために・パッケージング構造・パッケージング手法の両方を検討します。パッケージング構造ではスポーツの特性を考える必要がありました。スポーツはそれぞれが大きく異なります。野球とサッカーではルールが全く違うわけで、全てを楽しんで貰うハードルは低くありません。今回のケースでは「いろいろなスポーツのイメージしやすい部分だけを抽出する」という方法で、各スポーツの華やかで楽しい箇所だけを遊べるようになりました。パッケージング手法では「統一する」ということが大きなテーマとなりました。構造の面でもありましたが各スポーツは大きく異なるルールを持ちます。しかしゲームでは全て「3ミス制ルール」で統一、「アスリ」という統一の評価基準を設けました。また、スポーツは遊び方で「目標型」と「記録型」に分け、画面上の表示する物も統一を図りました。こうした事により奇抜でありながら、分りやすく遊び易いというゲームへと収束していくことができました。■開発体制今回の開発ではディレクターが構造や手法の決定を行い、その下のUI統括デザイナーが全てのUIをディレクション、その下の各競技開発チーム(プランナー、デザイナー、プログラマー)が実作業を行うという体制が取られました。その中で重視されたのは画面コンテだそうです。ニンテンドーDSの登場により、2画面の開発になるため、それぞれが作っていく画面の共通化を図る必要性が増したと言います。画面コンテは開発中、随時更新されていて大きくブラッシュアップされたといいます(初期版は2009年6月作成、最終版は2011年1月作成、ちなみに途中でDS→3DSに機種変更)。また、画面コンテは企画書を具現化させたものという位置づけとなり、チームメンバー全員が確認して、それに沿った開発を進めていくことになります。視覚的に理解できる資料として方向性の統一に大きく買ったということです。今回の内容をまとめれば、核となるアイデアを一番遊び易い構造と手法でまとめ、実際の開発段階ではチーム全員て理解できるように落としこむ(画面コンテ)、ということになります。実践的なプロデュースのヒントとして大いに参考になりそうです。
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