モリニュー氏は18日の「Independent Games Summit」に登壇し、「インディーからAAA、そしてまたインディーへ」という自身の考えを述べました。僅か25分というショートセッションながら会場は伝説を迎えようとする開発者で満員となりました。
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ピーター・モリニュー氏 |
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クリエイティブは混沌から生まれる? |
モリニュー氏は幾つかの写真を示すところからセッションをはじめました。Bullfrog時代、Lionhead Studios時代、そしてマイクロソフト時代、のモリニュー氏の机の写真です。本当の初期、それはゴミ溜めのよう。時を経ると次第に落ち着き、Lionheadの頃は多少汚いくらいの状態に。マイクロソフト時代の最後は本当に整然としたものになりました。「私は机の汚さとクリエイティブの間に何らかの相関性があるように思えてならないのです(笑)」とモリニュー氏は机の汚い開発者に光明を与えました。
話は演題にもなっている「インディーとAAA」に移ります。AAA(トリプルA)とは超大作ゲームのことを指す俗語で、そうしたタイトルを作るスタジオをAAAスタジオという風にも言います。モリニュー氏はAAAを取り巻くものを「安心」「満足」「快適」「予見性」といった言葉で説明し、「そんなものはクリエイティブをクソみたいに殺すだけだ」と一刀両断。
一方、モリニュー氏は(スマホなどを念頭に)ゲーム市場が広がっているとしながらも「そこにあるゲームは、貧弱で洗練されておらず、マネタイズモデルを"下品かつ貪欲"に使うだけで、せっかくある技術を世界を変えるためにも使わず、分析をゲームを良くするためにも使っていない」と批判。リスクを取って世界を変える魂こそが"インディー"であり、そうした人々が次の世界を生み出すようなクリエイティブを世に送り出していかなければ、「巨大な空白」が生まれてしまうと話しました。
大企業を離れ、インディースタジオで新作に取り組むモリニュー氏。セッションの最後には現在開発中の『Godus』のiPadを用いたデモンストレーションが行われました。神として世界に変化を与えていく様子はモリニュー氏の過去の作品と同様に期待が持てそうでした。
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新作『Godus』 |
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iPadを用いてデモンストレーションが行われた |