ブロックチェーンはビットコインで注目を集める技術で、分散型ネットワークの一種。ゲーム用バックエンドエンジンに応用することで運用コストが従来の半分未満へと圧縮が見込める他、ダウンタイムを出来る限り抑える事が出来ると想定されます。両社では「GMOアプリクラウド」にて今秋を目処にPaaS型バックエンドエンジンとして販売開始する予定。
両社ではゲーム内通貨の決済、アイテムの所有権移行、進行フラグの保存・照会などの処理を行うゲームのバックエンドエンジンはブロックチェーンとは非常に相性が良いとして、テックビューロの「mijin」をベースに、GMOインターネットが管理機能やアプリ用のSDKを開発する体制で商品化を進めていくとのこと。
■キャパシティを超えても落ちないゲームへ
ゲームの運営において、システムダウンの発生を防ぐことは重要課題の一つですが、ピーク時のトラフィックを見越して、その負荷に耐えられるキャパシティでデータベースを構築すると、通常時は稼働しない空きリソースに対して無駄なコストがかかってしまいます。また、ゲームがテレビ番組で紹介されたり、インターネット上で爆発的に口コミが広がったりするなどして、予測を上回るトラフィックによってデータ処理能力がキャパシティを超えてしまうと、全ての処理が停止し、多大な機会損失につながってしまいます。
ブロックチェーン技術を利用したゲームバックエンドシステムは、複数のコンピュータ(ノード)にデータを分散して稼働させるので、キャパシティを超えても機能が停止することなく自動で遅延処理し、トランザクションの整合性も保証します。これにより、突発的な障害や急激なアクセス増加にも対応できる、ゼロダウンタイム環境が実現可能となります。
■ゲーム内データの不正操作を未然に防ぐ
ブロックチェーン内のデータは全て暗号技術の鍵によって管理できることから、ゲーム内通貨や所有アイテムといったデータの安全な保存はもちろん、そのアクセス権限についてもゲーム運営者側で厳密に管理でき、不正操作を行うユーザーや業者も排除することができます。
また、ブロックチェーンの勘定データ内では数字の整合性が保たれ、ゲームユーザーに付与された鍵なしに、ゲームのステータス変更やゲーム内通貨の消費が不可能となるため、ゲーム内のフラグの矛盾やユーザーによるチートといったデータの不整合や、不正利用を防ぐことができます。