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オリジナル版『ファイナルファンタジーVII(以下、FF7)』がPS Nowでプレイ可能になったことを受け、本作ディレクター・北瀬佳範氏による「開発当時を振り返るインタビュー」がPS Blogで公開されました。
シリーズ初のPSタイトル、初の3D開発ゲームとして1997年に誕生し、2020年にはリメイク版も発売された『FF7』。業界が2Dから3Dに移行し始めていた時代なのもあり、新たな側面を活かせた反面、やはり最新技術ゆえの試練もあったとのこと。
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当時としては膨大だったCD-ROM容量を活かし、大量のムービーシーンを実装してストーリーテリングを強化。しかし、CD-ROMゆえの「ロード時間の長さ」に苦戦したほか、3D開発のため雇い入れたグラフィックスメンバーにおける「異業種ゆえのミス」が発生。
ゲーム開発では、タスク完了後に別の考えを思いつき、少しでも面白くするために「やり直してみる」という作業が日常茶飯事。しかし、グラフィック業界では「映像をわずか1秒分だけ作り直すだけでも数百万円単位のコストがかかる」とあり、そのようなことは無かったのだとか。
3D開発のため生まれた「グラフィックス業界特有の職場環境」は、北瀬氏にとって聞いたことも経験したこともない環境とあり、このような指示出しの失敗を数回経験。「なかなかタフな経験になった」と語っています。
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発売後、世界中で愛される作品となった『FF7』ですが、当時は海外ファンと交流する機会もなく、どの程度気に入ってもらえたのかよく分からなかったとのこと。
発売5年後の『ファイナルファンタジーX』発売時、プロモーションツアーで世界を回った際に初めて海外ファンと交流し、『FF7』を持参してサインを求めてくる様子に、初めて自分たちの成功を実感。忘れられない経験になったとしています。