ANYCOLORが2023年3月15日に、2023年4月期の通期業績の上方修正を発表しました。
売上高は従来予想の11.1%増となる250億円、営業利益は同19.5%増の92億円、純利益は同20.4%増の63億8,000万円に修正しました。
予想通りに着地すると、売上高は前年同期比1.8倍、営業利益は同2.2倍、純利益は同2.3倍になります。
成長をけん引しているのが、英語圏のVTuber「NIJISANJI EN」。英語圏のVTuberは2023年1月末の段階で31名となりました。前年と比較して倍増しています。増加するVTuberのマネジメントが、ANYCOLORの今後の成長を左右すると予想できます。
NIJISANJI ENの売上高は全体の1/4に
2023年4月期第3四半期の営業利益率は38.7%。2022年4月期は29.6%でした。9.1ポイントも上昇しています。ANYCOLORは第4四半期において、従業員に対して業績賞与を支払うのが通例。そのため、通期の営業利益率は36.8%とやや下がる見込みですが、前年同期と比較して7.2ポイントの上昇となります。
営業利益率を伸ばす方法は2つ。売上高を伸ばすか、経費を削減するかです。ANYCOLORはもちろん前者。この会社が驚異的なのは、大きくは変化しないはずの売上総利益率も伸びている点。2022年4月期は42.2%でしたが、2023年4月期第3四半期は46.3%。2021年4月期は38.5%でした。
VTuberへの支払いやコンテンツの制作費、Googleなどへの手数料の支払いなど、VTuberの活動に必要不可欠な負担をも押し下げるほど、売上高の成長スピードが速いことになります。
目下、成長ドライバーとなっているのがNIJISANJI EN。ANYCOLORの主力となる国内のライブストリーミングと国内コマースの2023年4月期4Qの売上高は前年同期間比37.0%増の37億200万円でした。NIJISANJI EN事業全体の同期間の売上高は前の年の8.7倍となる19億5,200万円に跳ね上がりました。
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※決算説明資料より
ANYCOLORの事業構造は大きく変化しています。下の円グラフは2022年4月期第3四半期と2023年4月期第3四半期における売上構成の変化です。NIJISANJI ENは3%程度でしたが、わずか1年で26%を占めるまでに成長しています。
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※決算説明資料より