2024年8月28日～29日にかけて、世界各国からWeb3を中心とする最先端技術の開発者や企業、投資家たちが集う国際的なカンファレンス「WebX2024」が開催されました。本稿では、セッションのひとつ「ゲーム産業の未来：新興技術活用の可能性と課題」のレポートをお届けします。
登壇各社が事業に参入した経緯は
セッションはdouble jump.tokyoの上野広伸氏がモデレーターを務め、グリーの村田卓優氏、コナミデジタルエンタテインメントの金友健氏、Oasys Pte. Ltd.の満足亮氏、KLabのWeb3関連事業を管轄する子会社であるBLOCKSMITH&Co.の真田哲弥氏が登壇。ブロックチェーン技術などをまじえたWeb3ゲームの現状や未来への期待が語られました。
まずは「Web3業界へどのような期待や狙いを持って参入したか」という問いが投げかけられ、グリーの村田氏は「既存のスマホゲームに代わる、新たなビジネスチャンスであると多大な期待を持って参集した」と回答。同社は、2022年にWeb3事業を推進するシンガポール法人「BLRD」を設立しています。
コナミデジタルエンタテインメントの金友氏は、Cryptoの登場で、ブロックチェーンを使ってゲームの中で安心安全に取引を行えるようになると感じ、2019年に社内でブロックチェーンの開発室を立ち上げたと回答しました。ゲームメーカーは、技術やデバイスの進化でユーザーに提供する体験をアップデートし続けてきたため、この領域でも同じことができるとワクワクしたといいます。
2022年12月にリリースされた、ゲームに特化したブロックチェーン「Oasys」を展開する満足氏は、2021年の時から構想していたとコメント。ただし、ブロックチェーンを活用したゲームを幅広いユーザーに届けるにはゲームのシステムなどにひと工夫が必要だろうと感じており、ブロックチェーンゲームがゲーム産業の一部として広まっていくことに期待しているとしました。
KLabの取締役会長でもある真田氏は「NBA Top Shot（NBAの公式NFTを扱うデジタルトレーディングカード）」でWeb3に興味を持ち、さらにNFTゲーム『STEPN（ステップン）』を目の当たりにして参入しなければと決意。2022年にブロックチェーン関連事業子会社のBLOCKSMITHを設立しました。ユーザーにとって「稼げる体験」は大きなモチベーションになるので、まだまだ入り込める余地があると判断したと語りました。
「現状は雌伏のとき」という見方が優勢か
登壇者各人（各社）の参入の経緯が明らかになったところで、次は「2024年夏現在、想定通りになっているか」という議題が投げかけられました。
