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ヒューマンアカデミーは秋葉原校にて、サイバーエージェントのスマートフォン向けゲームに最適なUI/UXを研究する専門組織「UIUX Lab」代表・鷲山優作氏を迎え、ゲーム業界を目指す方々へ向けたUI/UXセミナーを実施しました。UIUX Labでは、ゲームニクス提唱者のサイトウアキヒロ氏がアドバイザーをしています。「ゲームニクス」とは、ゲームにおける「人を夢中にするノウハウ」を他分野でも活用することで、5つのノウハウを提唱しています。このノウハウをもとに、UIUX Labでは日々スマートフォンゲームに最適なUIUXを考えているそうです。
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本セミナーはUI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)をテーマに、まずはUI設計の基本思想を、そして同社が手がけたタイトルを実例に挙げて良いUI・悪いUIを解説し、最後に参加者全員によるワークショップという3つのポイントで進行しました。
◆UI/UX設計には「おもてなし」の思想が大切
UI/UXの設計において大切なのは、ズバリ「おもてなし」。ゲームの絶対条件はストレスを与えること、それゆえにゲーム以外の部分でストレスを与えることはあってはならないと鷲山氏は語ります。ユーザーがどんな動作をするか 、どこにストレスを感じるか、どう迷うか、これらを先回りして考え、やらされている感を抱かせぬよう提示してあげる、つまり「さりげないおもてなしと和の心」が大切だと鷲山氏。
さらに鷲山氏はゲームニクスの5つのノウハウをもとにUI/UX設計「5か条」を提示しました。1.直感的で快適なインターフェイス、2.マニュアル不要のユーザビリティ、3.はまる演出、4.段階的な学習効果、5.リアルとバーチャルのリンクUI設計の場において「直感的」という言葉をよく耳にします。しかしいまいちピンとこないのではないでしょうか。そこで鷲山氏は4つのヒントを提示しました。
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最初のヒントは「直感的であるということはどういうことか?」。対象システムに対して心の中でとらえる「メンタルモデル」と、実際にそのシステムに触れて認識される「概念モデル」が同じであれば直感的であると言えます。2つ目のヒントは「ボタンの役割を固定する」。これはゲーム以外のストレスを緩和することにも繋がります。
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3つ目のヒントは「本当のストレスはどれか」。鷲山氏は人間工学研究による心的消耗を踏まえ、認知の段階でユーザーを悩ませないことが大切だと語ります。例えば階層を減らせば操作が減ると考えがちですが、一画面に多くの情報を提示し操作を悩ませてしまったら結局ユーザーに負荷をかけることになってしまいます。
最後のヒントは「デバイスを知る」。家庭用ゲームはコントローラーを想定したUIであり、スマートフォンゲームは指でのタッチを想定したデザインであること。それぞれのデバイスに合ったUI設計をすることが大切です。また機種によって親指の届く範囲が異なる点など、デバイスやプレイ環境に注意した設計が必要であると語ります。
◆『ポコロンダンジョンズ』を事例にした成功と失敗
基本を踏まえ、ポイント2では同社設計の『ポコロンダンジョンズ(以下『ポコダン』)を事例に、成功例と失敗例を解説しました。
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まずは成功例から。『ポコダン』は企画→モック制作→ユーザーテスト&レビューを3~5日の短いスパンで回し、徐々に改善することで新しいパズルゲームを作り出すことに成功したと語ります。
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「一番重要な部分の確認を大切にした結果、よいパズルゲームが完成した」と鷲山氏。しかしインゲームを大切にしすぎたあまり、アウトゲーム(クエスト以外のところ)を軽視してしまったと振り返ります。
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当初『ポコダン』はクエストでどんな報酬が得られるのか、推奨レベルはどのくらいかなどの情報が開示されておらず、クエストに対するモチベーションを維持させることができなかったとのこと。改善したことでクエスト周回率が上がり、大敗して辞める流れが減ったそうです。「これこそがおもてなしに通じる」と分析します。
「ゲームにとってのUI/UXとは何か?」について、鷲山氏は「ゲームUIはゲームの思想そのものである」と明言します。これを使えば大丈夫、という正解はなく、各プロダクトでしっかりテストし、最適解をみつける冒険をしようと締めくくりました。