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9月20日から23日にかけて開催された東京ゲームショウ 2018のサイバーエージェントグループブースで発表された、株式会社サムザップによるスマートフォン用対戦陣取りゲーム『リンクスリングス』。発表と同時にプレイアブル出展しての手ごたえは? スタッフがこのゲームで目指すものとは? パブリックデイ初日となる22日に実施した、石原直樹プロデューサー(写真左)と飯田隼一ディレクター(写真右)へのインタビューをお届けします。ゲームの概要については、TGS2018でのステージイベントレポートも併せてご覧ください。
――メディア向けには前もって先行体験会が催されていた『リンクスリングス』ですが、ついに発表となりました。
石原それなりに長く開発してきましたので、ようやくお披露目することができてほっと一安心しています。ここがスタートラインにすぎないというのは承知していますので、より一層、気持ちを引き締めていきたいと思います。
飯田自分たちとしては面白いゲームを作れているはずとは思っていたのですが、やはり、いざみなさんにお見せするとなると期待と不安が半々でした。僕らが望んでいた反応をいただけて、間違っていなかったんだなと。
――パブリックデイでのプレイアブル出展を見てどう感じられましたか?
飯田試遊では2試合遊べるようになっていたのですが、一戦目はまず走り回って陣取りの楽しさを分かっていただいて、二戦目はコネクトリンク(編注:走って囲んだ内側がまるごと自チームのエリアになるシステム)してみたり、相手に攻撃してみたりと思い思いの動きをされていて、想定通りのプレイをしていただけていると感じました。一方で、うまく情報をお伝えできていないインターフェースが一部にあることも見えてきましたので、正式リリースまでにしっかり修正していこうと思います。
石原試遊を終えた方にお声がけをしたりもしたのですが、マルチプレイアクションが不慣れな方たちからも「シンプルだね」、「分かりやすいね」とおっしゃっていただけたのが何よりでした。ビジネスデイですと、パっと見は一般の方に見えてもゲーム系専門学校の学生さんだったりしますので、最初からすごく上手で不慣れな方からの感想がなかなか拾えなくて……(笑)。
飯田とっかかりはかぎりなくライトに。それでいて、リリース時点で15体のキャラと50本以上の武器を用意して、ゲーマー肌の方はどこまでも深く面白さや戦略を追求できるように……という、手に取りやすさと深さの両立を目指しています。
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――キャラクターはパワー、スピード、テクニックのいずれかに分類されていて、武器にもさまざまな種類が用意されていました。
飯田スピードタイプなら短剣かナックル……というように、各タイプごとに、2種類の武器が装備できるようになっています。煩雑になってしまいますので、タイプをこの3種類から増やすことは考えていません。ただ、同じタイプのキャラ同士でも、パワー寄りだったり、スピード寄りだったりという差はあります。
――それはゲーム内のパラメーターなどで確認できるのでしょうか?
飯田意図的に明示はしていません。より深く遊びたいと思ってくださった方が、さまざまなキャラを使う過程で少しずつ発見していってくださったらうれしいです。
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――今後、各地で先行体験会の実施なども予定されているとのことですが、初めて本作をさわるときにオススメのタイプはありますか?
飯田まずは陣取りの楽しさを味わっていただきたいという気持ちもありますので、やはりスピードタイプでしょうか。移動と攻撃を兼ねた突進系のスキル「ブーストタックル」を持つリディアは特に使いやすくなっていますので、そこからご自身に合うキャラクターを探してていただければと。
テクニックタイプが一番慣れるまで時間がかかるかもしれませんね。たとえば、TGS2018で試遊できたルルはぬいぐるみのハスくんをタレット(編注:いわゆる設置型自動砲台、およびそれに類するもの)として使えるのですが、こういうキャラの性能を引き出すには、マップの形状やセオリーをある程度理解していた方がいいですしね。
――オンライン対戦がメインのゲームとなると思いますが、マッチングはどのようにされるのでしょうか。
飯田友達同士で実際に集まって遊ぶときなどは、ゲーム内でもフレンドになっていただければ4人でチームを組んで対戦を楽しめます。1人で対戦するときも、仲間のタイプに極端な偏りが出ないように工夫します。3つのタイプがそれぞれの役割をまっとうしつつ連携するのが楽しさのキモですので、それを体感していただきやすいようにします。
――実際に集まって遊ぶ場合は別として、ゲーム内でチャットして連携したりはできるのでしょうか。
飯田スタンプによる軽いコミュニケーションが取れるくらいで、チャットの実装は現状は考えていません。というのも、本作のコンセプトは「1人でも楽しい、みんなでも楽しい」ですが、チャットがあるとどうしても具体的な指示を出したくなってしまい、1人では楽しみづらいゲームなってしまいます。なので、そうなりそうな機能は入れないようにしています。人数が4対4なのも、そこに理由があるんです。3対3だと、結構簡単に場の把握ができてしまうんですね。そして把握ができると、どうしても他のプレイヤーに対して「こう動いてほしい」と思うようになってしまいます。
ですが、味方が3人、敵が4人いるとギリギリ把握できないんですよ。お互いに把握しきれないからこそ、高度な連携はしづらいし、求められない。そんな状況で自分がどう動くべきを考え、その結果、なんとなく連携ができた……という実感が得られるゲームを目指しています。
――TGS2018初日のステージイベントでは、本作の伝道師を務める公式アンバサダーを募集するという発表も目を引きました。これにはどのような狙いがあるのでしょうか。
石原一般的なスマートフォンのRPGなどですと、定期的に(ゲーム内)イベントを開催し、キャラクターの強さが少しずつインフレし、ガチャで強いキャラクターを得て……というスタイルが多いかと思うのですが、僕がこのゲームで一番望むのは、プレイヤーのみなさん同士でつながっていただいてワイワイと楽しんでほしいというものなんです。
――ゲーム中でコネクトリンクするだけでなく、プレイヤー同士でもコネクトしてほしい、と。
石原アンバサダー――この名称は今後変更になる可能性もありますが――は「このゲームを広めたい、それを手助けしたい」と思ってくださる方がいらっしゃったら、ぜひプレイヤー側から手助けをしてくださいませんかという制度です。もちろん、ただ助けてもらうだけではなく、アンバサダーのみに向けた何らかの特典や、ゲームをよりよくするための意見交換会の実施なども考えています。
――お話をうかがっていると、MMORPGなどのオンラインゲームのようなコミュニティ作りを目指されているのでしょうか。
石原その方が近いニュアンスですね。今後、リリース前に先行体験会を実施させていただきますので、まずはその会場であらためてみなさんに主旨をご説明して、興味を持ってくださる方がいらっしゃるか確認したいと思います。
――プレイアブルキャラはすべてゲーム内で入手可能で、逆にガチャでの入手はできないのというところも、近年のスマートフォンゲームというよりそれ以前からあったオンラインゲームっぽさを感じます。
石原課金はあくまで時短や遊びの幅を広げるためのものとして、勝敗に関わらないようにします。その方がオンライン対戦ゲームとして、より多くの方に長く楽しんでいただけると思いますので。
――リリース時には15キャラが実装されるとのことですが、スタッフのみなさんの間で人気のキャラクターはいますか?
飯田(石原氏に向かって)ナオですかね?
石原基本的には推しキャラはバラけているのですが、男性スタッフの中ではナオですかね(笑)。最初は見た目から入るのもよいと思いますので、まずは推しキャラを作っていただくのもいいかもしれません。
――タイプや能力ではなく見た目にかぎるなら、お二人の推しキャラは誰になりますか?
飯田僕はラビットです。お腹が出ているのがいいんですよ! イラストだけでなく3Dモデルも、お腹の露出具合がとてもいい……!
石原力説しているけれど、それ記事になっても大丈夫?(笑)
飯田まったく問題ありません! 本作は架空のスポーツをイメージしていますので、スポーティーな服装をさせると必然的に露出が少し高くなったりするのですが、一部に僕の趣味も入っているかもしれません。お腹もいいですけど、脚もいいですよね……。
石原語るなぁ……。僕は見た目ならナオが好きですね。
――つまり、ギャルがお好きと……。
石原……。いえ、かわいいからです!
――それでは、最後にリリースに向けての意気込みをお願いします。
石原マルチプレイアクションはちょっとニガテという方からゲーマー肌の方まで、幅広い方に楽しんでいただけるゲームを目指しています。早くご提供できるようにがんばりますので、楽しみにお待ちください。
飯田1人でも多くの方に楽しんでいただきたいという一心で作っています。2019年春予定のリリースに向けて、わいわいとみんなで楽しめるゲームにしあげてみせます!
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