KLabが2022年12月期第2四半期に3億4,200万円の純損失を計上しました。
損失に陥った主な要因は、2021年12月にリリースした『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~』のソフトウエアの帳簿価額全額を減損処理し、4億1,000万円の特別損失を計上したため。
『ラピスリライツ』は、上坂すみれさんや花澤香菜さんなど豪華声優陣を起用した期待度の高いタイトルでしたが、2022年10月31日でサービスを終了することが決定。KADOKAWAとタッグを組んでメディアミックス展開するも、ゲームはわずか10か月ほどで終焉を迎えました。
KLabが赤字に陥ったのは特別損失という特殊要因のようにも見えますが、競合他社と比較すると別の問題点が見えてきます。
2期連続の営業赤字が目前に迫る
KLabの2022年上半期の売上高は前年同期間比32.3%減の83億5,700万円。上期の売上高が100億円を割り込んだのは2016年12月期以来、6期ぶり。2021年12月期通期の売上高は前期比29.6%減。KLabは前期からトップラインの伸び悩みが鮮明になっていました。
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※決算短信より
KLabの主力タイトルが『ラブライブ!』。その競合『アイドルマスター スターリットシーズン』が2021年10月にリリースされました。KLabは競合がリリースされた影響で、売上高が大幅に減少したと説明しています。
『ラピスリライツ』のアニメーションは2020年9月に最終回が放送されました。企画の立ち上げ当初は、ゲームのリリース時期をアニメに合わせる計画だったものと考えられますが、2021年12月へとずれ込みました。アニメーションとの連動が上手く図れれば、2021年12月期の売上高はここまで落ち込んでいなかった可能性は否定できません。
2021年12月期で注目したいのは、11億500万円の営業損失を計上していること。KLabが通期で営業損失を出したのは2013年12月期以来。2022年12月期第2四半期においても4億4,600万円の営業損失(前年同期間は8億4,200万円の営業損失)を出していることから、2期連続の営業赤字が目前に迫っています。
KLabの2022年12月期の業績においては、『ラピスリライツ』の失敗がとかく語られがち。しかし、2021年12月期から営業利益が出ていないことの方が、苦境下にあることを如実に物語っています。
これはKLabの事業構造に弱点があるため。営業利益を出していた2020年12月期の営業利益率は6.3%でした。コロプラが17.0%、グリーが15.3%。KLabは競合と比較して低い傾向がありました。
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※決算短信より