『スクフェス2』のサービスを終了したブシロードの行方は？―8月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】

8月はグリー、ボルテージ、ブシロードなどが本決算を迎えます。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

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3タイトルのサービス終了を決断したブシロード

8月13日はブシロードが通期決算発表日を迎えます。

ブシロードといえば、2024年3月31日に『ラブライブ！ スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!』のサービスを終了してファンを驚かせました。リリースから1年を経過せずにまさかのサービス終了を迎えたのです。

同社はゲームタイトルの整理を進めており、2014年4月リリースの『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ炎のカスカベランナー!!』、2020年3月の『クレヨンしんちゃん ちょ～嵐を呼ぶ炎のカスカベランナー!! Z』の終了にも踏み切っています。これらはモバイルゲームの赤字を縮小するための措置。

ゲーム開発を行うデジタルコンテンツユニットはリソースをコンソールゲームに集中。2023年10月に『リアセカイ』と『GINKA』、2024年3月に『マクロス -Shooting Insight-』をリリースしました。

しかし、2024年6月期3Q単体（2024年1月1日～2024年3月31日）の売上高は前年同期間比で4.4%減の19億300万円と苦戦中。第3四半期累計では20億円のセグメント損失を出しています。

2024年6月期はコンソールゲームに経営資源を集中した結果が問われる局面であり、その業績は2025年6月期以降の事業戦略にも影響を与えることになるでしょう。

ゲーム配信系VTuber「すぺしゃりて」の成長は？

8月1日はグリーの本決算発表日。注目すべきポイントは2つあります。『ヘブンバーンズレッド』の勢いと、VTuber「すぺしゃりて」の成長戦略。

グリーのゲーム・アニメ事業の2024年6月期3Q単体（2024年1月1日～2024年3月31日）の売上高は、『ヘブンバーンズレッド』2周年イベント効果が働き、前四半期比で24.0%増の129億5,000万円でした。しかし、前年同期間比では2割近い減収となったのです。

同事業は4Q単体（2024年4月1日～2024年6月30日）の売上高を、前年同期間比26%減～13%減の96億円～113億円と予想しています。下限の3割近い減収となると、いよいよ勢いが落ちていることが鮮明となるでしょう。

グリーが次なる成長に期待をかけているのがVTuber。中期的な目標として、メタバース事業の2026年6月期の売上高を152億円、セグメント利益を19億円としています。売上高は2024年6月期通期予想のおよそ1.5倍。キーファクターがVTuberです。

足元では、ゲーム配信主体のVTuber「すぺしゃりて」の活動を本格化しています。その成長性はまだ限定的ですが、成長戦略としてどのような絵を描くのか。その青写真に注目です。

ボルテージはNintendo Switchへの移植が奏功するのか？

8月8日はボルテージの通期決算の発表があります。

ボルテージは女性向けの恋愛ドラマアプリに強みを持つ会社。『100シーンの恋＋』は『天下統一恋の乱 Love Ballad』、『あやかし恋廻り』などの人気タイトルがあります。しかし、ヒット作を打ち出すことができずに業績は停滞気味。2期連続で2割の減収となりました。

最盛期の2016年6月期の売上高は112億円を超えていましたが、現在はその半分以下。2024年6月期第3四半期累計（2023年7月1日～2024年3月31日）の売上高は26億円でした。

ゲームを開発するアプリ事業を収益基盤としつつ、新ジャンルの開拓を進めています。事業投資を進めている分野は2つ。1つは電子コミック、もう1つはNintendo Switch向けゲームの開発（移植）です。前者には3億円、後者には4億円の事業投資を行い、拡大を進める計画。

現在のところ、四半期ごとの売上高は堅調に積み上がっています。

ただし、売上構成比率はアプリ事業が未だ9割を超えています。新規事業を収益基盤として盤石なものにできるかどうかがポイントとなるでしょう。そこに向けた具体的なプランを打ち出せるかどうかに注目です。