『ティアキン』大ヒットの反動で任天堂は大幅減収、通期計画にはやや遅れをとったか【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

『ティアキン』大ヒットの反動で任天堂は大幅減収、通期計画にはやや遅れをとったか【ゲーム企業の決算を読む】

長きに渡って繁栄を謳歌した任天堂も正念場を迎えていると言えるでしょう。

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『ティアキン』大ヒットの反動で任天堂は大幅減収、通期計画にはやや遅れをとったか【ゲーム企業の決算を読む】
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任天堂の2025年3月期第1四半期(2024年4月1日~2024年6月30日)の売上高が、前年同期間の5割近い減収となりました。

営業利益は7割縮小。営業利益率は40%から22%まで低下しています。これは2023年5月にリリースしたは『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』大ヒットの反動を受けたもの。第1四半期中にリリースした『ペーパーマリオRPG』と『ルイージマンション2 HD』はどちらも100万本を超えており、売れ行きは好調。ただし、通期計画に対する進捗は特に利益面において後れをとっているようにも見えます。

今期はリリースするタイトルがインパクトに欠けている印象もあり、長きに渡って繁栄を謳歌した任天堂も正念場を迎えていると言えるでしょう。

営業利益の通期業績予想への進捗率は13%で過去4期最低

2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)通期の売上高は前期比19.3%減の1兆3,500億円、営業利益は同24.4%減の4,000億円を予想。『ティアキン』の反動は織り込んでおり、減収減益の見込みです。第1四半期の売上高は前年同期間比46.5%減の2,466億円、営業利益は同70.6%減の545億円でした。

決算短信より筆者作成

今回の決算のポイントはこの通期業績への進捗率。売上高は18.3%、営業利益は13.6%でした。通期予想は2割の減収、2割超の営業減益を見込んでいるにも関わらず、進捗は大幅に遅れています。

その様子は特に営業利益で顕著。下の表は2021年3月期から第1四半期の実績(売上高・営業利益)と通期予想、実績に対する進捗率を並べたもの。今期の通期予想に対する進捗率は、売上高、営業利益ともに最低水準であることがわかります。

決算短信をもとに筆者作成

注目したいのは実績への進捗。2022年3月期と2023年3月期は売上実績への進捗率が19%で、2025年3月期第1四半期の18.3%という数字は大きく乖離するものではありません。すなわち、通期業績予想に近い数字で着地することへの期待感が残ります。

しかし、営業利益への進捗率13.6%は明らかに低いものだと言えるでしょう。なお、2022年3月期、2023年3月期は売上高、営業利益ともに通期業績予想を上回って着地しています。

しかも、今期の任天堂には2つの懸念材料があります。


《不破聡》

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