『スタリラ』終了、エイチームのゲーム事業は成長戦略から置き去りに…赤字転落で展望開けず【ゲーム事業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

『スタリラ』終了、エイチームのゲーム事業は成長戦略から置き去りに…赤字転落で展望開けず【ゲーム事業の決算を読む】

法人向けにデジタルマーケティングサービスを提供する「売上向上支援カンパニー」への変革を掲げており、エンターテインメント事業は成長戦略から完全に取り残されたように見えます。

企業動向 業績
『スタリラ』終了、エイチームのゲーム事業は成長戦略から置き去りに…赤字転落で展望開けず【ゲーム事業の決算を読む】
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『ヴァルキリーコネクト』や『ユニゾンリーグ』を運営するエイチームのエンターテインメント事業(ゲーム事業)が、2024年7月期(2023年8月1日~2024年7月31日)に赤字へと転落しました。

ヒットゲームを生み出せない中、既存タイトルの効率的な運用で黒字化を果たすことができたものの、減収スピードに耐えきることができませんでした。これまではマルチデバイスゲームやハイパーカジュアルゲーム、NFTゲームの開発に前向きな姿勢を見せていましたが、今期からは受託開発を中心として損失拡大を回避する方針を強く押し出しました。

2028年7月期を最終年度とする中期経営計画において、エイチームは法人向けにデジタルマーケティングサービスを提供する「売上向上支援カンパニー」への変革を掲げており、エンターテインメント事業は成長戦略から完全に取り残されたように見えます。

期待のNFTゲームも収益貢献は限定的

決算短信より筆者作成

2024年7月期の売上高は、前期比13.2%減の239億1,700万円、営業利益は同3.4%増の5億6,200万円でした。エイチームは2024年2月に女性向け生理予測・体調管理アプリ「Lalune(ラルーン)」に関連する事業を、メドレーに譲渡しています。その譲渡益4億9,100万円を計上したため、純利益は前期のおよそ6.7倍となる9億5,300万円となりました。

エイチームは2023年3月に自転車通販サイトcymaを、スポーツ自転車専門店「Y‘Road-ワイズロード-」を展開するワイ・インターナショナルに譲渡していました。その一方で、ヘッドレスCMSを提供するmicroCMSや暗号資産アプリを運営するPaddleを取得しています。

近年は事業の整理と、新たな領域への投資を加速しています。

2024年7月期のエンターテインメント事業の売上高は前期比18.8%減の44億円、3,800万円のセグメント損失(前期は1億6,600万円のセグメント利益)を出しました。この事業は減収が止まりません。2017年7月期の売上高は190億円を超えていました。

データブックより筆者作成

エイチームは2023年8月3日に新作オリジナルNFTゲーム『Crypt Busters(クリプトバスターズ)』をリリースしています。2023年6月の「IVS 2023 KYOTO」に体験ゲームコーナーを出展。7月25日のプレセールで兵士NFT12体がセットになった1,250パックを先行販売。予定販売数は完売していました。

しかし、エンターテインメント事業の増収には寄与していません。

『スタリラ』もサービス終了へ


《不破聡》

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