国内回帰を鮮明にしたANYCOLORに注目―9月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】

9月はエイチームとアイモバイルが本決算の発表を迎えます。

経営方針を大幅に変更したgumi、海外攻略を改めて国内回帰を鮮明に打ち出したANYCOLORが第1四半期の決算を発表する予定。その滑り出しの感触を確かめるタイミングでもあります。本稿では注目の企業をピックアップするとともに、決算発表をする企業を一覧で紹介します。

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アドバンテッジから50億円を調達したエイチームの行方

9月6日はエイチームの本決算の発表日。同社は『ヴァルキリーコネクト』や『ユニゾンリーグ』などのゲームを運営しています。ただし、エンターテインメント事業の業績は停滞気味で、2024年7月期第3四半期累計（2023年8月1日～2024年4月30日）の売上高は前年同期間比18.1%減の32億2,900万円、1億2,000万円のセグメント損失（前年同期間は2,500万円のセグメント利益）を計上しました。既存タイトルの減衰を押しとどめつつ、効率的な運用で経費削減に努めていましたが、第3四半期の段階で赤字に転落しました。

現在、オリジナルタイトル1本、協業案件2本を開発中。その他にハイパーカジュアルゲームの制作に着手しています。

エイチームは2024年6月に投資ファンド・アドバンテッジパートナーズの子会社で、経営支援などを行うアドバンテッジアドバイザーズから50億円を調達すると発表しました。調達した資金で業容拡大に向けたM&Aを実施。暗号資産ポイントアプリ「Bit Start」などを提供するPaddleなどを買収しています。通期の決算発表では、会社が大変革を起こす中でエンターテインメント事業をどのように位置づけるのかが注目のポイントとなるでしょう。

国内の「にじさんじ」に注力した結果はどう出るか

9月11日はANYCOLORが第1四半期の決算を発表します。

会社は2025年4月期第2四半期（2024年5月1日～2024年10月31日）の売上高を前年同期間比16.2%増の180億円、通期の売上高を前期比21.9%増の390億円と予想しています。まずは成長の源泉である売上高への進捗が、最も重要なポイントとなります。

なお、2024年4月期第1四半期（2023年5月1日～2023年7月31日）の売上高は59億3,000万円で、売上予想の上限（210億円）に対する進捗率は28.2%。通期の着地は予想を20.7%上回る253億4,100万円で着地しています。

今期からは上半期と通期を切り分けて業績予想を出しました。これまでは一定の幅を持たせていましたが、予測精度を上げています。

ANYCOLORは前期の決算発表において、今期は国内の「にじさんじ」の成長に注力すると明言しています。国内でVTuberが乱立する中、市場でどれほどの存在感を発揮できるのかを見極めるタイミング。会社予想を超えるほどの進捗率に達しているのであれば、十分に成長余地があると判断できるでしょう。

『ブレイクマイケース』が業績に貢献するcoly第2四半期の結果は？

９月13日は女性向けゲームを手がけるcolyの上半期の決算発表日です。最大の関心ごとは2024年5月9日にリリースした『ブレイクマイケース』の業績貢献。中期的な成長を目指す主力コンテンツとの位置づけでした。

colyの主力タイトルに『スタンドマイヒーローズ』があります。『ブレイクマイケース』はこの世界を多角的に展開したもので、音楽とマッチパズルを組み合わせたアドベンチャーゲームです。

この会社はグッズの販売などを行う自社運営ストアをパルコを中心に出店しています。人気IPを創出してグッズの販売で業績を拡大するビジネスモデルであり、ヒット作を生み出さない限りは中長期的に成長することができません。

2025年1月期第1四半期の売上高は前年同期間比4.4%増の9億100万円、4億9,800万円の営業損失（前年同期間は4億円の営業損失）を計上しています。『ブレイクマイケース』の開発が大詰めを迎え、損失幅が拡大しました。colyは2期連続で営業損失を計上しており、大型タイトルのリリースには大いに期待がかかっています。