
任天堂は2025年3月期第2四半期累計(2024年4月1日~2024年9月30日)の業績を受け、通期予想を引き下げました。
売上高は従来予想の5.2%、営業利益は10.0%それぞれ下方修正。通期の販売予想を見直したといいます。ニンテンドースイッチの後継機発売をすでに宣言しており、今期の業績が一時的に停滞するのは織り込み済み。ただし、前四半期は為替差益を得ていましたが、2Qは為替差損を計上。為替が与える影響は見逃せません。
ニンテンドースイッチの後継機は従来のソフトとの互換性が明らかになるなど、少しずつアウトラインが見えてきました。
幅広い年齢層をターゲットとする戦略が奏功
2025年3月期上半期の売上高は前年同期間比34.3%減の5,233億円、営業利益は同56.6%減の1,215億円でした。下方修正した通期の売上高は1兆2,800億円で、前期比で23.4%減少する見込みです。

※決算短信より筆者作成
ニンテンドースイッチは累計1億4,604万台を販売。ソフトの累計販売数は13億610万本となりました。任天堂が発売したゲーム機の中で最も多くのソフトウェアを販売したことになります。年間プレイユーザーは1億2,700万。日本の総人口よりも遊んでいる人が多い計算です。
『マリオカート8 デラックス』や『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』、『Nintendo Switch Sports』など、子供から高齢者まで楽しめるタイトルを世に送り出し、幅広く親しまれていることが要因の一つ。任天堂は自らの使命を「任天堂の商品やサービスを通じて、世の中の人々を笑顔にすることにあります」と表現しています。国籍や年齢に関係なく、安心して楽しめる娯楽を提供する姿勢が評価された結果だと言えるでしょう。
2006年12月発売のWiiは累計1億台以上を売り上げて大ヒットしました。しかし、2012年11月に発売した後継機のWii Uの不振で苦戦。任天堂はWiiの発売から6期目に営業赤字に転落。3期連続の営業赤字となりました。
ニンテンドースイッチは発売から今期で8期目。減益とはなるものの、勢いが衰えるスピードは緩やか。後継機発売への期待感が膨らみます。