激しい競争が続くソーシャルゲーム市場。各社はラインナップの拡充を急ぐとともに、各タイトルの収益性向上に心血を注いでいます。現状、主な収益源はアイテム課金および広告です。広告代理店を中心に、各社がソーシャルゲーム向けの広告商品を相次いで発表している中、『ハッピーアクアリウム』や『ゲームスタジオ物語』といったゲームを自社でも展開するドリコムが、リワード広告サービス「poncan」で、収益が半年間で6倍に伸びたとレポートし注目を集めました。GameBusiness.jpではドリコムで「poncan」を担当するMS営業部 poncanチームの日吉良太氏と社長室の杉山秀樹氏にお話を伺いました。ちなみに、リワード広告とは、会員登録などをすることで、ゲームで使用できるポイントや通貨が獲得できる広告のこと。―――「poncan」のウリはどんなところでしょうか?日吉: 3つあると思っています。1つは自分達でもゲームを提供していることです。自社のゲームで培ったノウハウを他社さんにも還元する。これは多くの広告代理店さんの商品では真似できない特徴だと思います。2つ目には先日の発表にもありますが、絶えず改善をしていることです。特に導線の置き方や見せ方など、ゲームの運用と同じくらい広告の運用に関しても数値データを元にKPIの改善を行っています。3つ目としては、リワードで獲得したポイントは即時にユーザーさんにお渡ししているという点です。多くの競合商品では会員登録をしてもらっても、広告主さんの承認というフローが入るので、ポイントをお渡しするのが一ヶ月後という風になってしまいます。それだとユーザーさんにとってはメリットを感じづらいですよね。■課金とは競合しないリワード広告----―――課金売上と競合するのではという懸念もあるのですが日吉: それは多くの方がおっしゃいます(笑)。でも、競合しないんです。弊社のゲームの場合、アイテム課金をしているユーザーと、リワード広告でポイントを獲得しているユーザーの一致は10%以下の数字になっています。なので、リワード広告を入れたからといって、アイテム課金が減るということはまずないと思います。やはり課金をする、というのはユーザーさんにとってハードルの高い行為です。特に初めての方にとっては。弊社のゲームだと、アイテム課金の利用者とリワード広告の利用者だと、後者が5倍にもなっています。なので、メーカーさんにとってはリワード広告を入れることで、ゲームの課金アイテムに触れるユーザーが激増することになります。また、最初はリワード広告でポイントを得て、課金アイテムに触れたユーザーさんが、今度は直接課金でポイントを購入してくれるようになる、という流れも確認できています。―――なるほど。実際の成果も上がっているということですね日吉: はい。ソーシャルゲームはかなりの幅広い世代で、かなりの数のユーザーさんに遊ばれています。特に「poncan」はmixiアプリの上位ゲームに数多く採用されています。短い期間で大量の会員登録やリードの獲得ができる。しかもそれが成果報酬で、という広告商品は他にはないと思います。―――現在はmixiアプリが中心なのでしょうか?日吉: リワード広告はどうしても外部リンクが必要となってしまいますので、携帯の公式サイトでは難しいんです。なので、現状はmixiアプリのPC版が中心になっています。ただ、ソーシャルゲームに限定された商品ではないと思っていて、オンラインゲームやブラウザゲーム、仮想空間サービスなどにも広げていく計画です。―――ソーシャルゲームの広告ではリワード広告以外の可能性はいかがでしょう?杉山: 純広告やタイアップ企画なども平行してやっています。日吉: ソーシャルゲームでの広告については色々なものを試行錯誤しています。通常の広告のアドネットワークのようなものを発表されている広告代理店さんもありますが、既に試していて、あまり上手く行かないなという感触を受けています。―――今後の目標などを聞かせてください杉山: 具体的な目標の導入社数や売上は公表できませんが・・・。ただ、「poncan」のチーム(自社ゲームでの運用を除く)で20名くらいの体制になっています。この分野はかなり伸びると思っていて、かなり力を入れてやっています。
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