
6月4日の発売が目前に迫った『狼と香辛料VR』。本作は、先日開催された「BitSummit 7 Spirits」にも展示されていましたが、今回は開発を担当したジェムドロップ社代表の北尾氏に同会場でインタビューを敢行しました。
展示ブースには、PC向けVRだけでなくニンテンドースイッチ向けの「Toy-Con 04: VR Kit」版も展示されており、プレイまで20~30分待ちになるなど人気の高さをうかがわせました。インタビューでは「狼と香辛料」原作者の支倉凍砂さんの行動力の高さも垣間見え、インディーゲーム開発らしい内容になっています。

『狼と香辛料VR』開発者インタビュー
――まずは会社の紹介をお願いします
北尾氏:ジェムドロップの北尾です。弊社は設立して6年目のゲームデベロッパーで、コンシューマ、スマホ、VRと様々な開発を行っています。VRタイトルの開発自体は今回で4本目になります。
――『狼と香辛料VR』開発を手掛けたきっかけを教えてください
北尾氏:1年くらい前に原作者の支倉凍砂さん(以下、支倉さん)から狼と香辛料をVRでやりたいと弊社窓口にお問合せをいただきました。それまで支倉さんと接点がなかったのでいわゆる正面玄関から入ってくるみたいな形でしたね。
――まさかの原作者からの直接アプローチでこの開発は始まったんですね
北尾氏:そうなんですよ。以前から弊社と取引があったり誰かに紹介されたというのではなかったのですが、面白そうなお話だったので是非お受けしたいと思いました。それともう一点あって、支倉さんからはコンシューマーでもパブリッシングをしたいという要望があったのでパブリッシャーでもある弊社での開発が決定しました。
――開発期間はどのくらいだったのですか
北尾氏:1年かからないくらいですね。いい意味でのインディーでの開発体制になり、少人数でテンポ良く開発を進めていくことができました。
――『狼と香辛料VR』はアニメーションだけでなく、ゲーム要素もあるかと思いますのでゲーム要素について教えてください
北尾氏:ホロと触れ合えるモードが実装されています。これは、インタラクティブにホロを撫でたり、しっぽをさすったりするとホロの好感度が変化するモードになっています。
――開発で苦労した点などあればお聞かせいただけますか
北尾氏:VRなのでホロが近寄ってきたときの距離感は結構調整をしましたね。他にもVRなので見ようと思えば、詳細まで見ることができるのでホロの躍動感や背景など原作の世界観とのマッチに努力しました。ホロはモーションキャプチャーで動かしつつ、耳やしっぽは手で調整しています。原作の支倉さんに定期的に確認をいただきながら開発を進めていきました。
――この記事をご覧の皆さんに一言お願いします
北尾氏:『狼と香辛料VR』は日本時間の6月4日にSteamやOculus版が登場します。追って、ニンテンドースイッチやPS4は夏にリリース予定です。『狼と香辛料VR』はVRとなっていますが、VRなしで遊ぶモードもありますので楽しみにしてほしいですね。クラウドファンディングの支援をいただいた皆さんには是非楽しみにしてほしいと思っています。ニンテンドースイッチやPS4版が後になってしまうのが申し訳ないですが楽しみに待って頂ければと思います。
――今日はありがとうございました
