『ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍』など、受託開発を中心に事業を展開するユークスの業績が勢いづいてきました。
2023年1月期第3四半期の売上高は前年同期間比29.6%増の31億8,300万円、営業利益は同106.2%増の7億8,700万円でした。通期の売上高を前年同期比13.1%増の41億900万円、営業利益を同6.6%増の7億4,100万円と予想しています。
ユークスは2022年9月8日に通期業績の下方修正を発表し、売上高を24.9%引き下げました。一時的な悪材料であることは間違いありませんが、2024年1月期を大幅増収へと導く序章となる可能性もあります。
K2 Sportsへの依存度が異常なほど高かったユークス
ユークス最大の出世作が世界的にヒットしたプロレスゲーム『WWE』シリーズ。パブリッシャーは2K Sports、デベロッパーはユークスという盤石な体制が業績を支えていました。
潮目が大きく変化したのが、2017年10月31日に締結した2K Sportsとの契約変更。
当初、ゲームソフトウェアの開発を受託するという契約内容でしたが、ソースコードライセンス契約へと変更になります。当初、2020年1月期以降の業績への影響は軽微としていました。しかし、2020年1月期は6期ぶりの営業赤字。2021年1月期は32.5%もの減収に見舞われます。
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※決算短信より
それもそのはず。ユークスは2K Sportsへの依存度が高い会社でした。2019年1月期に2K Sportsからの収入は21億6,400万円で、全体の半分以上を占めています。契約変更後は4億4,800万円となり、全体の1割程度まで縮小しました。
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※有価証券報告書より
500円台で推移していたユークスの株価は、2021年3月17日に260円の安値をつけます。その後、300円台まで持ち直しますが、しばらく軟調な状態が続いていました。
ユークスはあまり積極的に情報開示を行わないために悪材料ばかりが目についてしまうものの、業績悪化に対する責任の所在の明確化を迅速に行ったうえ、業績を安定させるための的確な対応策をとりました。そしてV字回復という実績を残しています。