コーエーテクモホールディングスの2023年3月期の売上高は前期比7.8%増の784億1,700万円、営業利益は同13.3%増の391億3,300万円となりました。
売上高、営業利益ともに過去最高。2023年3月にリリースした『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』が29万本のヒットを飛ばした他、同時期にリリースした『零 ~月蝕の仮面~』も12万本と健闘しました。
詳しく業績を見ると、増収・増益とはいっても、2023年3月期はゲームのリリース時期が下半期に集中したために苦戦した印象がありますが、2024年3月期は大いなる飛躍に期待ができます。
前倒しで目標の売上高1,000億円を達成できるか
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※決算短信より
2023年3月期の決算発表の注目ポイントは、2024年3月期の売上高を前期比21.1%増の950億円と大幅に伸張する予想を出していること。コーエーテクモは基本的に保守的な予想を出しています。
■期首に発表した売上予想と実績の差異
期首予想 | 実績 | |
2023年3月期 | 770億円 | 784億1,700万円(予想比1.85%増) |
2022年3月期 | 650億円 | 727億5,900万円(予想比11.9%増) |
2024年3月期の期首予想も少なめに見積もっているとすると、売上高は1,000億円を突破する可能性が高いことになります。コーエーテクモは2022年4月に発表した中期経営計画において、2025年3月期に売上高1,000億円を達成するという目標を掲げていました。1年前倒しでの達成が見えてきました。
これほどの増収を見込んでいる理由については後述します。
実は、コーエーテクモは2023年3月期第3四半期の時点では、ゲーム事業が全地域において減収となっていました。特に北米、欧州での苦戦が目立ちます。第3四半期は開発を担当した『ウルトラ怪獣モンスターファーム』を2022年10月、モバイルの『信長の野望 覇道』を同年12月にリリースしていましたが、売上高の伸長に大きく貢献するパッケージのタイトルが不足していました。
■2023年3月期第3四半期ゲーム事業地域別売上高
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※決算説明資料より
期末にかけて怒涛のリリースが続きます。2023年2月に『WILD HEARTS』、3月に『Wo Long: Fallen Dynasty』、『零 ~月蝕の仮面~』、『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』、『Winning Post 10』をリリースしています。