
コーエーテクモホールディングスの2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の売上高、営業利益が予想を下回りました。
売上高は予想比3.1%減の397億2,200万円、営業利益は同8.8%減の138億5,500万円で着地。予想より低かった理由として、「パッケージゲームの初動が計画を下回った」としています。タイトル名は明かしていませんが、9月28日に『Fate/Samurai Remnant』をリリースしていました。
発売から3日で25万本を販売しているものの、計画を下回る軟調なスタートだった可能性があります。同社は通期の業績予想は据え置いていますが、それが達成できるか否かの微妙なラインに立っています。
売上高・営業利益の通期業績予想への進捗率に遅れが…
コーエーテクモは2024年3月期通期の売上高を前年同期比21.1%増の950億円、純利益を同0.2%増の310億円と予想しています。純利益は前期と同水準になる見込みです。
しかし、株価が冴えません。2023年3月ごろの株価は2,300円から2,400円前後で推移していましたが、上半期決算発表後の10月31日は一時1,876円まで下がりました。

※決算短信より
3月のPERは30倍前後、11月以降は20倍を下回る日も少なくありません。PERは株価収益率のこと。株価が1株当たり純利益の何倍かを示すもので、数字が大きいほど割高、小さいほど割安と判断されます。純利益は会社の通期予想を使って計算するのが一般的です。
コーエーテクモの2024年3月期の利益水準は前期と変わらないものでした。ところが、市場の評価は著しく下がっているのです。理論上、PERが一定だったと仮定した場合、純利益が予想を下回る(下方修正する)と株価は下がります。
同社が通期業績予想を据え置いているにも関わらず、PERが下がり続けているということは、市場が会社の予想に対して懐疑的な目を向けていると捉えることができるでしょう。
2024年3月期上半期の売上高は、前期比14.3%増の397億2,200万円、営業利益は同24.4%減の138億5,500万円、純利益は同23.1%増の167億9,500万円。予想に対する進捗率は、売上高が41.8%、営業利益が36.9%、純利益が54.2%でした。
なお、前期の上半期(2022年4月1日~9月30日)時点での予想に対する進捗率は、売上高が45.1%、営業利益が56.4%、純利益が43.3%でした。
今期は純利益が50%を超えているものの、本業での稼ぎを表す売上高、営業利益が遅れています。