『アスタタ』サ終と人員削減… プロジェクト中断の力技で営業黒字化したgumiの行く先は?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

『アスタタ』サ終と人員削減… プロジェクト中断の力技で営業黒字化したgumiの行く先は?【ゲーム企業の決算を読む】

gumiが2025年4月期第1四半期(2024年5月1日~2024年7月31日)に6,500万円の営業利益を出しました。

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gumiが2025年4月期第1四半期(2024年5月1日~2024年7月31日)に6,500万円の営業利益を出しました。

前年同期間は四半期単体で6億4,200万円という大赤字。gumiはオリジナルタイトル『アスタータタリクス(アスタタ)』の不調によって恒常的な営業赤字が続いていました。四半期単体で営業利益を出したのは、5四半期ぶり。

gumiは大失敗のもとになったオリジナルタイトル開発の当面中止を決定。開発にかかわる人件費、外注費の大幅な削減に成功したほか、『アスタタ』のサービス終了を決めたことで、広告宣伝費もカットしています。

生まれ変わったgumiを強く印象づけており、次の成長ステージに期待がかかります。

『アスタタ』を開発したStudio FgGは解体

2025年4月期第1四半期の売上高は、前年同期間比5.9%増の28億4,800万円、営業利益は同6,500万円でした。

ただし、1億6,700万円の純損失(前年同期間は7億6,500万円の純損失)を出しています。これは主に、gumiが2024年6月17日から7月5日にかけて希望退職者の募集をかけて80名が応募。特別退職金8,800万円を第1四半期に特別損失として計上したため。

一時的な費用が発生して純損失を出していますが、中期的には固定費(人件費)が削減されて収益性の高い体質になったことを意味しています。

なお、gumiの平均年収はおよそ580万円。単純計算にはなりますが、社会保険料などの雇用コストを含めると、80名の削減によって合計5億円近く削減できる計算になります。

決算説明資料より筆者作成

gumiは2024年4月期に開発中だったオリジナルタイトルを含む複数のプロジェクトの開発中止を決定。それに伴って10億円を売上原価に一括計上しました。また、不調だった『アスタタ』のソフトウェア関連資産28億円の減損損失も計上。2024年4月期に59億3,400万円もの純損失(前年同期間は4億4,500万円の純利益)を出しています。

『アスタタ』のリリースは2023年8月28日。上のグラフを見ると分かる通り、2024年4月期2Q(2023年8月~2023年10月)に2桁億円の損失を出すに至っています。これは売上高に比して広告宣伝費と減価償却費の負担が重いため。『アスタタ』は売上貢献度が低く、経費ばかりがかかる存在となっていたのです。

”テコ入れ策”などと称して周年記念キャンペーンで巻返しを図ろうとする会社も多い中で、gumiは早々と『アスタタ』の減損損失の計上、サービスの終了を決めました。サービス終了をアナウンスしたのは2024年7月24日。リリースから1年も経過していません。

公式ホームぺージより

ゲームを開発したStudio FgGは解体の憂き目にもあっています。数十億円をかけて構築したゲームの早期終了と、その開発会社を消滅させるという、これまでのgumiにはあまり見られない経営判断でした。

SBIホールディングスは第2位の株主に

この経営判断には代表取締役社長・川本寛之氏の意向が強く反映されたのではないでしょうか。


《不破聡》

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