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gumiが2024年4月期(2023年5月1日~2024年4月30日)に59億円もの純損失を計上しました。
2023年8月28日にリリースした『アスタータタリクス』の売上高が想定を下回り、ソフトウェア約28億円の減損損失を計上したほか、大手パブリッシャーと計画していたタイトルの中止を決定。協業先に請求予定だった費用10億円を原価計上したため。
経営責任をとって代表取締役と取締役の2名の役員報酬3ヶ月100%減額を決定。80名程度の希望退職者募集も行いました。
gumiは主力のモバイルオンラインゲーム事業の方針転換を行う一方で、ブロックチェーン事業は既定路線を堅持。ブロックチェーン事業は、22.24%の株式を保有する筆頭株主SBIホールディングス(以下、SBI)の肝いり事業で、SBIに配慮する姿勢を強く押し出しているように見えます。
『アスタタ』の失敗で事業戦略の転換を迫られる
2024年4月期の売上高は前期比24.6%減の120億6,600万円でした。2023年8月に待望の大作『アスタータタリクス』をリリースしたにも関わらず、主だった新作に欠けていた2023年4月期の売上高よりも2割少ないという結果に終わりました。
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モバイルオンラインゲーム事業単体で見ると3割の減収。事業単体で34億8,500万円の営業損失(前期は7億3,500万円の営業利益)を出しています。
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※決算短信より筆者作成
なお、既存タイトルは黒字。『アスタータタリクス』の開発費、広告宣伝費、減価償却費の負担が重く、売上高がそれを補うことができないために大赤字となっています。28億円の減損損失を計上しましたが、これは開発に伴って発生したソフトウェアなどの資産価値を減らし、減価償却負担をなくす会計処理のこと。一時的な損失を出しますが、それ以降の運用負担を減らすことができます。