プロからストリーマーまで、多様な担い手が生むeスポーツの新潮流―「日本eスポーツアワード 流行語大賞2024」に見るファンダムの在り方 | GameBusiness.jp

プロからストリーマーまで、多様な担い手が生むeスポーツの新潮流―「日本eスポーツアワード 流行語大賞2024」に見るファンダムの在り方

「日本eスポーツアワード 流行語大賞2024」では、『スト6』関連ワードが注目を集めました。

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プロからストリーマーまで、多様な担い手が生むeスポーツの新潮流―「日本eスポーツアワード 流行語大賞2024」に見るファンダムの在り方
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日本国内のeスポーツ界における功績と貢献を称える年に一度の祭典「日本eスポーツアワード2024」に注目が集まっています。本アワードではファン投票および審査委員会による審査のもと、選手やチーム、企業などが表彰されます。

2回目の開催となる2024年度は、サイドイベントとして「日本eスポーツアワード 流行語大賞2024」も実施予定。2024年11月21日、X公式アカウントでは途中経過として、票を集めている8ワードが公表され話題になりました。

このうち、実に4つが『ストリートファイター6(以下、スト6)』に関連したもの。『スト6』が2024年において大きな存在感を示したことを示していますが、それ以上に注目すべきは、これらのワードを通して見えてくる、eスポーツコミュニティの盛り上がり方です。

プロとアマチュアの境界を超えた広がり

「eスポーツ」といえば、プロプレイヤーによる競技シーンをイメージする方も多いでしょう。しかし、今回ノミネートされたワードには、ゲーム配信を行うストリーマーやVTuberの活動に関連したものも含まれています。

例えば「おとこマン」は人気ストリーマー「わいわい」さんの『スト6』におけるプレイヤーネームであり、後述する「師弟杯」での活躍と涙の敗退という、ドラマチックな展開とともに多くのファンの心を捉えました。

コミュニティ発の新しい大会形式

直近で特に盛り上がりを見せたeスポーツ大会といえば、ストリーマーのSHAKAさんが主催した「LEGENDUS STREET FIGHTER 6 師弟杯」です。この大会は、プロプレイヤーや上級者による初心者へのコーチング文化から派生した独特の大会形式が特徴。師匠と弟子がタッグを組んで戦うというスタイルは、従来のeスポーツ大会にはあまり見られなかった、コミュニティ大会ならではの新しい試みといえます。

2024年11月に開催された「師弟杯 後楽園の陣」は、オンラインでの予選を経て、決勝トーナメントは「格闘技の聖地」後楽園ホールで実施されました。10チームによる熱戦が繰り広げられ、「おとこマン」ことわいわいさんが、師匠であるストリーマーの高木さんとともに善戦するも敗退。悔し涙とともに「高木を漢にするまでは『おとこマン』として、またここに戻って来たい」とコメントし、SNSで大きな話題となりました。

使用するキャラクターごとに、「師匠」と「弟子」がタッグを組み戦った

独自の文化とコミュニティの形成

他のワードからも、eスポーツシーンならではの文化形成も見えてきます。「○○1本で行かせて頂きます」は、『スト6』のプロプレイヤーである「ときど」選手が大会出場に向けて「豪鬼1本で行かせて頂きます」キャラクターを宣言したものの、実際にはケンを使用したという出来事がミームとして広まった例。また「ガイル村」は、『スト6』にてガイルを使用するプロプレイヤーやストリーマーたちのコミュニティを指す言葉で、"村長"であるひぐち選手を筆頭にファンにも親しまれています。

『スト6』にみる新規ユーザー獲得の成功例

途中経過で発表された候補の中に『スト6』関連のワードが多く選ばれた背景には、同タイトルの新規ユーザー獲得の成功があります。従来の格闘ゲームは操作の難しさが新規プレイヤー獲得の壁となっていましたが、スト6ではコマンド入力が従来より簡単な「モダンタイプ」を導入。また、若者に人気のあるストリーマーやVTuberが数多くコミュニティ大会を開催・参加したことで、若年層へのリーチが進みました。

カプコンのプレスリリースより

流行語大賞の途中経過からは、eスポーツが単なる競技の場を超えて、様々な要素が融合した新しい形のエンターテインメントへと発展していることが見えてきました。プロとアマチュアの境界を超えた交流、独自の文化やコミュニティの形成、そして各タイトルの工夫。これらが相まって、かつてないほどの盛り上がりを見せているのです。

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