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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は、パシフィコ横浜にて開催されたCEDEC 2018にて「IT の未来を語る:PlayStation x IT 教育がつくる次世代エンタテインメント」セッションを開催しました。
このセッションは、2017年と2018年に開催されたエンタテインメント制作教育イベント「VR CAMP with PlayStation VR」で得られた気付きを振り返るものです。登壇者は、SIEのゲーム・コンテンツ制作コンサルティング及び技術サポートに従事している秋山賢成氏と、ライフイズテックの取締役CTOである橋本善久氏の2名。初めにSIEの秋山氏が壇上に上がりました。
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同氏はまず本セッション内容を説明。1つ目が「PlayStationと教育: PS VRを活用した教育イベント」と2つ目が「エンタテインメントが教育を通じて生み出す可能性」、3つ目が「Life is Tech!から見たゲーム制作と教育の可能性」、最後が「VR教育イベントの主催者・参加者で座談会」です。
世界累計販売台数300万台を達成したPS VRの紹介映像を映し、基本説明を行いました。同氏はVRはクリエイターやデザイナーの想像力をそのままに表現することができるので、「自由な発想力」が重要になると述べます。
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ここでイベントのアンケート結果が映し出されました。「VRを付けた人は友達にいるけれど、プログラミングした人はいないから自慢できる」と中高生にとって初めてで新しい体験であることをアピール。また、保護者とのアンケートでも「モノづくりのきっかけ」や「子どもが何に興味があるかも知ることができ、とても良かった」と親子間のコミュニケーションのきっかけになったことも示しています。
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2018年のイベントでは、ただ好きな物を作るだけでなく、作るための基礎学習などの体験を作ったと語ります。またこのイベントの様子は、2017年と2018年のPS Blogにて伝えられています。
「エンタテインメントが教育を通じて生み出す可能性」としては、子供も教育の現場でプロのクリエイターが使う環境にふれる機会が増えており、多くの企業と会社、そして人の持つ経験と資産、場所と道具を活用することでIT教育を通じて成長を促進できる活動、と紹介しました。
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■教育と結びついたゲームの可能性―オンライン学習システム「MOZER(マザー)」とは?
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続いてライフイズテックによる「Life is Tech!から見たゲーム制作と教育の可能性」です。ここでは橋本善久氏が登壇しました。
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ライフイズテックはIT教育事業としてキャンプとスクール、オンライン、そして教材の4つを展開。特にオンラインプログラミング教育は、地域と経済格差を振り払い、誰もがプログラミングを楽しく学ぶ機会を設けていると説明しました。
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そのオンライン学習システムに用いているのが「MOZER(マザー)」と呼ばれるサービス。ストーリーを主体に「3秒ステップ・バイ・ステップ式」で、知らず知らずのうちに楽しく多くの量の情報を学べるという内容となっています。
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3秒や5秒の短いスパンで学び正解できることを、わんこそば式と呼んでおり、小さい量でもいつの間にかすごい量をこなしていることを体験できるためと説明しました。
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他にも、1度に表示できる文字数60字に制限し、コース担当キャラクター達がやさしく誘導。そしてわんこそば式に次々とタスクをこなすことで多くの情報を取得できると説明します。また可変レイアウトと視線誘導を巧みに利用し、注目ポイントへの視線を導きます。
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MOZER実践投入の成果を説明すると、キャンプ5日分の時間をほぼ自由制作に割り当てられることから5倍速での成長が可能と語ります。
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■ディズニーとコラボしたプログラミング学習「テクノロジア 魔法学校」
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ここでプログラミング学習教材としてディズニーとコラボした「テクノロジア 魔法学校」を紹介しました。本作はPCと本のデジタルとアナログの両面から学習するタイトル。プログラミングは現代の魔法だというコンセプトから、本作ではゲーミフィケーションではなくゲーム作りそのものを行ったと説明します。
一般的なRPGのように、プレイヤーがレッスンを攻略することで自身が成長していくことを表現。異変が起きている世界でプログラミングという魔法を用いることで解決するという流れになっており、『フラッピーバード』的なものや横スクロールアクションゲーム、神経衰弱系のトランプゲームなど様々なものを作って学ぶことが出来ます。
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また、同氏曰く教材作りというのはレベルデザインと解釈しているとのこと。
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そのプロセスでは、学習テーマ選定からスキルマップ、ワールド展開設計を全体とし、コンテンツ設計&ファイナルコード作成からステップ分解&組み込み、セリフ&ヒント記述、解説スライド&クイズ作成を個々のワールドと位置付けています。
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特にセリフ&ヒント記述はプレイヤーの心が折れない方向に応援して支えたり褒めたりすることに加え、挑戦心をくすぐったりバランスを見て記述されているようです。
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■生徒が語るVR CAMPの感想とは?参加者2名が登壇
最後のセッションとして「VR教育イベントの主催者・参加者で座談会」に移りました。ここでは、VR CAMPに参加した千葉高等学校の高校三年生の田村はづきさんと、専修大学付属高等学校の一年生足立光さんが登壇し、質問に答えながらセッションが進みました。
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2名はVR CAMPでそれぞれVRコンテンツを制作しており、足立さんは「週刊トロ・ステーション」からトロに関するクイズシューティングを、田村さんはディズニーに関するものをそれぞれ作ったと述べます。
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質問の内容をピックアップすると、ゲームの開発側に回ったことに関して、田村さんは「自分の思い通りのことがどんどん作れて面白かったけれど、すごく難しくてゲームクリエイターの人は凄い」、足立さんは「MOZERという教材はあったものの応用や工夫は自分でやらなきゃいけないところが難しいと思った」とコメントしました。
「VR CAMPでわくわくした瞬間はいつでしたか?」という質問には、田村さんは「自分の作ったものが目の前に出てきた瞬間」と、足立さんは「一番わくわくしたのは完成した時の体験会」と回答。
最後に、橋本氏向けの「ゲーム業界の可能性については?」という質問には、スクウェア・エニックスに在籍していた際に実施されたITキャンプにて、『ドラゴンクエスト』チームのスタッフたちがオフィスを中高生に案内し終わった後、その学生たちの目がとてもとてもキラキラしていたため、教えるという体験は得るものが大きいだけでなく嬉しいもの、と語ります。
加えて、教育という分野は発展と共に学べる部分があることから、中高生にゲーム開発を体験させることで、未来のゲームクリエイターが誕生するかもしれない、とコメントしセッションは終了しました。
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