
スクウェア・エニックス・ホールディングスは、2024年3月期 第3四半期の決算資料を公開しました。
売上高は257,612百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は34,918百万円(前年同期比15.5%減)、経常利益は40,910百万円(前年同期比19.5%減)となっています。
デジタルエンタテイメント事業が前期に引き続き伸び悩む
ゲームを中心としたデジタルエンタテイメント事業における業績では、HD(High-Definition)ゲームにて『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』、そして『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』等の発売で前年同期比増収。一方でMMO、スマホ、PCブラウザ向けコンテンツでは減収となったことを明かしています。


将来予測についての説明では、家庭用ゲーム市場において一部大型タイトルへ人気が集中する傾向にあることからタイトルの成否が大きく現れ、モバイルゲーム市場では上位タイトルの固定化とアジア企業の存在感が増したことにより新作タイトルのヒット率が低下していると、まず現状への認識を述べています。
そして、激化する市場競争でヒット作を出し続けるため、従前のIPを活用した事業展開に加えて、新規IP創出への挑戦及び開発リソースの確保が重要になってきているとして、コンテンツ開発と収益機会の多様化を図っての収益基盤を確立する取り組みを進めているとしました。
「今後はラインナップを絞り込み、各タイトルのクオリティを向上」第2四半期期決算質疑応答
また、1月15日に公開された第2四半期期決算説明会における質疑応答内容では『FF7 リバース』の販売動向が、通期業績目標である営業利益550億円の達成において最も大きな変動要因になるとの考えを示し、スマホ、PCブラウザ向けタイトルとの相乗効果も見込んでいるといいます。
HDゲームについて収益性向上を実現させるため何が必要かとの質問に対しては、「質の高いゲーム開発を可能とする体制を整備し、新作のヒット率を上昇させる必要がある」と回答。大型タイトルとインディーゲームの二極化が進んでいる状況で、その中間に位置するタイトルを多く開発してしまったのではないかとの分析を元に、今後はラインナップを絞り込み、各タイトルのクオリティを向上させる体制を整備したいと述べています。
さらに持続的な成長の実現に足りていないものとして、保有する強いIPへの依存から生じたタイトルの多様性の低さと、デバイスの多様化や販売形態のデジタルシフトに対応した効率的なマーケティングを挙げ、内製開発体制強化やパブリッシング機能の強化に向けたリソース配分を行うとしました。具体的な取り組みについては次期中期経営計画にて説明する意向です。