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2024年8月21日から23日にかけて、パシフィコ横浜ノースで日本最大級のゲーム開発者向け技術カンファレンス「CEDEC2024」が開催されました。本稿では、スクウェア・エニックスのAI&エンジン開発ディビジョンにてAIリサーチャーを務める狩野竜示氏によるセッション「言語AIのゲーム応用 - ゲーム内エージェントとしての大規模言語モデル」のハイライトをお届けします。
LLMをゲームに応用する研究が進んでいる
本セッションでは、2022年に公開されたChatGPTのような大規模言語モデル(Large Language Models/LLM)の登場で高性能化した自然言語処理が、いかにゲームに応用されているかの事例が紹介・解説されました。
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応用例としては、NPCとの自由な会話、クエストの自動生成、ダンジョンなどの自動生成などが挙げられ、今日もPCG(Procedural Content Generation)による自動ゲームデザインの研究が日夜進められています。
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また、LLMはゲーム内で自律的に行動するエージェントへ応用する研究も進められており、『Among Us』、『Red Dead Redemption 2』、『Minecraft』などで研究されています。現状では、エージェントに操作させるキャラの状態や行動が連続的なアクションやシューティングはまだ苦手で、ターンベースシミュレーションのような状態や行動が離散的なゲームが適しているとのこと。FPSの『Doom』でキャラクターを操作させる研究があるものの、まだ動きが見劣りする部分があるようです。