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ソニーのゲーム&ネットワークサービス分野(ゲーム事業)は、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)に17.1%もの増収を果たし、初の売上高4兆円を突破しました。
PlayStation5の販売台数は当初予想していた2,500万台に届かず2,080万台で着地しているものの、サードパーティー・ソフトウェアが増収に寄与。2023年は『FINAL FANTASY XVI』や『ホグワーツ・レガシー』などのヒット作に恵まれています。
しかし、2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)は減収を予想。足元の売上は好調なものの利益率は悪化しており、ゲーム事業の人員削減を実施するとも発表しています。そのような中で、第五次中計期間(2024年度から2026年度)において最高益を更新する計画を立てています。
円安が進まなければ売上高4兆円には届かなかった?
2025年3月期のゲーム事業の売上高は、前期比1.6%減の4兆2,000億円を予想しています。減収を予想している要因として、大きく2つが挙げられます。1つが円安効果が切れること。もう1つがPlayStation5の販売台数が今期から減少へと向かうことです。
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※決算短信より筆者作成
2024年3月期のゲーム事業の売上高は前期比プラス6,231億円となりましたが、そのうち2,789億円が円安効果によるもの。押し上げられた売上高のうち、実に44.8%が為替によるものでした。仮に為替の影響がなかったとすると、売上高は3兆9,888億円。ソニーは2024年3月期の期首において、ゲーム事業の売上高を3兆9,000億円と予想していました。円安効果を取り除くと、計画に近い数字で着地したことになります。
2024年は『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』、『ドラゴンズドグマ 2』、『Star Wars Outlaws(スター・ウォーズ 無法者たち)』などの話題作があります。
減収とはいっても4兆2,000億円という高めの売上予想を出している背景には、他社のヒット作への期待感があるでしょう。