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任天堂のゲーム事業を支える根幹のサービス「ニンテンドーアカウント」。その大規模改修に使用されたのが、Amazonが提供するクラウドコンピューティング「AWS(アマゾン ウェブ サービス)」でした。
4月20日、21日に千葉・幕張メッセで開催された展示・セミナーイベント「AWS Summit Tokyo」。「日本最大のAWS を学ぶイベント」として様々な企業が出展した本イベントにニンテンドーシステムズも参加。初日の20日に「ニンテンドーアカウント リノベーションプロジェクト」のタイトルでセッションを行いました。
◆なぜリノベーションが必要だったのか?
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任天堂とDeNAが共同開発したというリノベーションプロジェクトの詳細を解説してくれたのは、ニンテンドーアカウント開発責任者の府川幸太郎氏、開発リーダーの川原貴裕氏、リノベーションプロジェクトでリーダーを務める桑原健氏の3名。
ニンテンドーアカウントとは任天堂のサービスを利用するためのアカウントサービスで、オンラインプレイやeショップを利用するために不可欠なものです。またバックグラウンドでは本人認証と結びついており、あらゆるサービスの根幹となるものです。そのシステムを、なぜ、どのようにリノベーションしたのでしょうか?
もともとニンテンドーアカウントは、「Amazon EC2」を中心としたインフラと「Perl(アプリケーション)」で構成されていました。しかし2015年のリリース後、機能を追加するなど順調に成長すると思われていたサービスに思わぬ変化が訪れます。
アカウントの増大などに伴って膨れ上がるデータ量、パッチ作業などの運用工数の増加、採用した一部技術で発生した技術者不足……。さらにノウハウの引き継ぎが思うようにいかなかったり、Perlの求心力が低下したりと問題点が浮き彫りになってきました。
そこでサービスの継続性を確実なものにするため大規模なシステム改修が必要となりリノベーションプロジェクトが発足したのです。