
ファッションブランド、ルイ・ヴィトンなどのブランドを擁するLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、世界最大級のオープンイノベーション ショーケースである「Viva Technology」において『Fortnite』やUnreal Engine(以下UE)で知られるEpic Gamesとの戦略的パートナーシップを発表しました。
Epic Gamesが誇る3D制作ツールを活用することで、バーチャルなフィッティングルームやファッションショー、任意の品を360度どこからでも見られるカルーセルなどのような、新たな体験を顧客に提供します。
LVMHは、時代を超えて受け継がれる資産・遺産を大切にしながらも、常に未来を見据えてサービスを更新し続けてきました。今回発表されたEpic Gamesとのパートナーシップも、その精神に基づくものであるとされています。
同社は今回の提携でグループの中核をなす強みである生産工場のノウハウや店舗ネットワーク間の連携を強化できるだけでなく、チームの専門性をより高めることで来たるデジタル社会に向けて社員の育成を促進させます。
LVMHグループマネージングディレクターのトニ・ベローニ氏は「私たちは常に、お客様に新しい体験を提供するイノベーションに取り組んできました。もはや文化の域に到達しているインタラクティブなゲームは、その好例であるといえます。Epic Gamesとのパートナーシップは、新たなコレクションの制作、広告キャンペーン、Webサイトにいたるまで、当社の専門性を加速させるでしょう。また、これらの技術の使い方を熟知している若い世代とより効果的に関わっていくことができるでしょう」と述べています。
Epic GamesのUEバイスプレジデントであるビル・クリフォード氏は「LVMHのデザイナーと協力しながら当社の高度なツールを活用することで、フィジカルとデジタル両面でプロダクトを変革します。LVMHのグローバルブランドが提供しようとする没入型デジタル体験を支援できることをうれしく思います」と述べています。
Epic GamesのソリューションのいくつかはすでにLVMHに取り入れられており、2022年の「Viva Technology」では、ブルガリが古代ローマに着想を得たメタバース体験「Virtual Rome」を発表しました。このプロジェクトは、Epic GamesのUE5が使用されています。
また、UEとデジタルヒューマンを作成するためのフレームワーク「MetaHuman」によって生み出されたバーチャルアンバサダーのLiviを発表していました。
ルイ・ヴィトンは今年、UE5、MetaHuman、リアリティキャプチャーを活用した「デジタル・ショー・エクスペリエンス」を発表予定。2023年1月にルーヴル・クールカレで開催された「2023年秋冬メンズ・ショー」を約6分間でインタラクティブに体験できる試みで、体験者はショーの装飾が施された7つの部屋を巡って、厳選された作品に触れることができます。