Newzooは、2024年のゲーム業界トレンドを予測するレポート「Games market trends to wacth in 2024」を公式サイトで公開しました。本稿では、その1項目である「The market will continue to recover and grow」のハイライトをお届けします。
グローバルゲーム市場は前年に続き2024年も拡大する見込み
グローバルゲーム市場は2022年に縮小したものの、2023年に回復に転じました。この傾向は2024年も継続し、2021年に1,927億米ドルだった市場は2026年には2,057億米ドルに達する(+1.3%)と予測されました。
2024年の主な成長要因のひとつとしては、XboxシリーズとPlayStation 5のインストールベースのさらなる拡大が挙げられました。また、現時点で判明している2024年発売予定のタイトルは2023年に比べると見劣りするところがあるものの、市場の成長を牽引するには十分なものであるとしています。
厳しい市場環境やユーザー獲得をめぐる状況によりここ2年間は落ち込みを見せていたモバイルゲーム市場も、回復する可能性が高いとしています。
業界を牽引するリーダーたちへのヒアリングでは、「2024年のグローバルゲーム市場は成長するか」という問いには、91%が「そう思う」と回答。
「グローバル市場でリリースされるタイトルの数は増加するか」に「そう思う」と回答したのは55%で、「ゲームの開発費は増加するか」では「そう思わない」と「どちらともいえない」が45%ずつとなりました。
「2023年と比べて、ゲーム開発費にベンチャーキャピタルなどのような投資は増えるか」という設問は「そう思う」と「そう思わない」が27%ずつに分かれています。
「コミュニティの結びつき」を重視、UGCの活性化に期待も
サウジアラビア大手eスポーツ企業、Savvy Games Groupの支援を受けるSteer Studiosのビジネス開発シニアディレクターであるMarc Regeur氏は「ゲームと他のエンターテインメントによる人々の余暇の奪い合いが続くことで、PvPとPvEの両分野でソーシャル体験やマルチプレイ体験への注目が高まるものと思われます」とコメント。コミュニティを結びつけることを目的としたタイトルがリリースされると予測しました。
また同氏は、そうしたタイトルで自身の体験をより深めたユーザーは、それをコミュニティと共有できることでさらに自分を表現するようになり、UGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)が活性化することに期待を寄せました。
新規タイトルへの期待は薄く、既存IP活用が焦点に
業界のリーダーたちは「2024年のゲーム市場は大規模な合併や買収に見舞われるか」という設問に64%が「そう思う」と回答。「そう思わない」と「どちらともいえない」は同率の18%ずつとなりました。
「2024年は、新規タイトルが市場を席巻するか」という問いは「そう思う」が0%で「そう思わない」が91%という一方的な結果に。「2024年は、既存IPを活用・再利用したタイトルや(他社の)ライセンスIPを活用したタイトルが市場を席巻するか」という設問には64%が「そう思う」と回答しており、2024年のグローバルゲーム市場は成長するという見通しを立てる一方で、個々のゲームスタジオの進退やAAA級新規IPの開発・登場には慎重な見方を示しました。