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矢野経済研究所は、国内スマホゲーム市場を調査し、市場における最新動向や将来の展望を明らかにしました。
今回の調査では、下記の3つの内容についての市場動向がまとめられています。
- 市場概況
- 注目トピック
- 将来展望
1.市場概況
市場規模
2017年度のスマホゲーム国内市場規模(メーカー売上金額ベース)は、前年度比8.9%増の1兆290億円となり、市場拡大が継続。国内の有力パブリッシャーによる継続的なタイトル共有や、海外メーカーの参入により市場が伸長しています。
人気タイトルの傾向
ランキング上位には、有力IPを活用したタイトルが入り人気を博しています。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』『A3!(エースリー)』『放置少女~百花繚乱の萌姫たち~』など複数の新規タイトルも健闘したため、市場規模を押し上げる結果となっています。
市場全体では成熟市場へ
なお、スマホゲーム市場全体では急速に成熟が進み、開発期間とコストが増大する一方で十分な人気を獲得できず、早期のサービス終了となるケースも増加していると指摘。
有力なIPを活用したタイトルであっても同様の傾向が強まり、ヒットタイトルの創出難易度が高まっている市場状況となっています。
2.注目トピック
新たなゲームシステムの導入
従来のいわゆるガチャに依存しない課金システムのヒットタイトルが続いています。『ポケモンGO』では、位置情報とAR(拡張現実)機能を組み合わせたシステムで幅広い年齢層の、これまでスマホゲームに馴染みのなかった層を取り込みヒットタイトルとなりました。
『荒野行動』では、マルチプレイでのバトルロイヤルゲームが中高生を中心にヒットし、中国メーカーの日本国内展開の成功事例となっています。
スマホゲームのe-Sports化
2018年に入り、スマホゲームのe-Sportsタイトル化も進んでいます。『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』を中心に、プロプレイヤーによる賞金制e-Sports大会が開催されました。
今後も、スマホゲームタイトルのe-Sportsを通じた認知向上やスマホゲームユーザーのプレイ人口の拡大が期待されています。
3.将来展望
2018年度の市場規模予測
2018年度のスマホゲーム国内市場規模(メーカー売上金額ベース)は、前年度比で3.0%増の1兆600億円と予測。牽引要因は、2016年から参入した任天堂による有力タイトルの供給や、中国・韓国などの海外メーカーによる継続的な日本市場へのタイトル供給が続くことが期待でき、2018年度も安定的な市場成長が予測できるとしています。
今後の市場環境の変化
国内メーカーは、有力IPを保有するパブリッシャーやライセンサーと、開発実績を持つデベロッパーとの協業開発が今後も増えていくと予想。引き続き多くのIPタイトルが提供され、市場における競争はより厳しさを増していくとしました。
しかし、良質なタイトルの継続的投入やハードウェアの性能の向上とともにネットワーク環境がより整備されることもあり、国内市場全体では緩やかに拡大傾向になると分析しています。
調査要綱
- 1.調査期間: 2018年12月~2019年2月
- 2.調査対象: 国内スマホゲーム市場に関わる主要事業者等
- 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話等によるヒアリング、及び文献調査を併用
<スマホゲーム市場とは>
本調査におけるスマホゲーム市場とは、スマートフォンデバイス上で作動するゲームアプリケーションを指し、ネイティブアプリゲーム(スマートフォンにアプリケーションをダウンロードして使用するゲーム)やブラウザゲーム(ネットワークを介して使用するWebアプリケーションゲーム)を対象としている。なお、市場規模はアプリ内アイテム課金によるメーカー売上金額で算出し、海外売上および広告収入を含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
スマホゲーム、モバイルゲーム、ゲームアプリ