HEROZ、『将棋ウォーズ』好調も成長事業への投資先行で上半期は減益で折り返し【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

HEROZ、『将棋ウォーズ』好調も成長事業への投資先行で上半期は減益で折り返し【ゲーム企業の決算を読む】

オンライン将棋対戦ゲーム『将棋ウォーズ』のHEROZが、2025年4月期第2四半期累計期間(2024年5月1日~2024年10月31日)を6割を超える大幅な営業減益で折り返しました。

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オンライン将棋対戦ゲーム『将棋ウォーズ』を運営するHEROZが、2025年4月期第2四半期累計期間(2024年5月1日~2024年10月31日)を6割を超える大幅な営業減益で折り返しました。

営業減益の主な要因は、同社が強化しているBtoB領域のAIアシスタント「HEROZ ASK」など新規SaaSへの先行投資が1億5,200万円発生していること。HEROZは2025年4月期通期(2024年5月1日~2025年3月31日)の営業利益を前期比10.8%増の5億円と予想しています。上半期は減益でしたが、予想は据え置いた形です。

祖業の『将棋ウォーズ』は堅調に推移し、足元でM&Aを繰り返すことによる非連続な成長を遂げている一方、見通しの悪い経営状態が続いています。

2025年1月に『三國志 HEROES』をリリース

日本将棋連盟公認の『将棋ウォーズ』は2024年4月期末に9.1億局を突破しました。月間のユニークユーザー数はおよそ46万人。日本生産性本部の「レジャー白書 2024」によると将棋人口は460万人であることから、1割程度がゲームを楽しんでいることになります。

日本将棋連盟との関係強化も図っており、連盟創立100周年を記念した「羽生九段アバター」のプレゼント、「達人戦」イベントの開催も行っています。2024年11月には将棋の日に合わせた新規サービスの「シーズンパス」を提供。特定のシーズンごとに用意されたミッションをクリアするとコインが付与され、棋神が棋譜を解析する「棋神解析券」などの景品と交換できるようになりました。

ただし、HEROZにおけるゲームを主軸としたBtoC事業の売上はあくまで一部分。バリオセキュアを買収する前の2022年4月期におけるBtoC事業の売上高は前期比5.2%増の9億1,800万円でした。

同社はコーエーテクモゲームスと共同で開発した、ターン制バトルボードゲーム『三國志 HEROES』を2025年1月にリリースすることが決定しています。なお、HEROZは2017年7月にコーエーテクモゲームスの出資を受け、AIを活用したゲーム開発を行うことで合意していました。コーエーテクモは現在も1%超の株式を保有する大株主です。

しかし、HEROZはBtoC領域の深耕や拡大に力を入れるよりも、AI活用による企業の課題解決に取り組むBtoB領域を強化してきた背景があります。


《不破聡》

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