
2024年9月26日より開催されている東京ゲームショウにて、ビジネスデイ来場者を対象としたBtoBセミナー「TGSフォーラム」で「長寿タイトルのブランド戦略」と題された主催者セッションが行われました。


急速に進んだデジタル化、そしてネットワーク化を始めとしたゲーム業界を取り巻く変化に、昔からある長寿タイトルのビジネスモデルはどのように変化し、対応してきたのでしょうか。『プロ野球スピリッツA』のシリーズプロデューサー、コナミデジタルエンタテインメントの阿部 洋介氏、セガのトランスメディア事業本部クリエイティブフランチャイズ部部長であり、『龍が如く』シリーズのフランチャイズグローバルヘッドを務める山崎 あした氏、そして、バンダイナムコエンターテインメントで『鉄拳』シリーズマーケティング&eスポーツプロデューサーの安田イースポーツこと安田 直矢氏に、モデレーターとして「日経BP」「日経クロストレンド」副編集長の平野 亜矢氏が加わった4人が登壇し、ゲームファンなら誰もが知る有名タイトルがどのような戦略をもってユーザーやファンを増やしてきたのかが語られました。

安田氏は、格闘ゲームである『鉄拳』が、かつてアーケードゲームであり、100円を入れるとワンプレイできるという形が一般的であったというところから話を始めました。ワンコインで2分、3分といった短い時間遊ぶことができるというサービス提供の形は格闘ゲームと相性がよく、アーケードシーンが出発点となりました。その後、コンソールへの移植が加わると、フルプライスのパッケージを手に取ってもらう為に、対戦だけではない、ストーリーや練習モードなどのひとりで遊べるコンテンツが開発されます。
その後、インターネットが普及。それまで実際にゲームセンターの筐体に手を加えるなどして行っていたアップデートのコストは劇的に縮小し、配信によるアップデートが始まります。大容量の配信で頻繁なアップデートが可能になると、今度はタイトル運営の長期化が始まります。『鉄拳7』では、当初2年程度を予定していたサービスが、ユーザーの需要に後押しされる形で5年の長期展開をすることになった経緯があるそうです。できることが増えていく中で、ユーザーのニーズにも変化が起こり、サービスの形が大きく変わっていったことが良くわかります。

一方、一貫してコンソールで展開していた『龍が如く』の山崎氏は、コンソールがインターネットにつながることで2つの大きな変化があったと指摘します。