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『ソニックフロンティア』のヒットで大躍進を遂げていたセガサミーホールディングスに、ブレーキがかかりました。
2024年2月9日に通期業績の下方修正を発表。売上高を従来予想比2.3%減の4,630億円、営業利益を同15.0%減の510億円に改めました。ゲームを中心にトイや映像コンテンツを提供する「エンタテインメントコンテンツ事業」の売上予想は、従来の3,270億円から4.1%低い3,135億円。135億円マイナスの修正を迫られています。
セガサミーは2024年3月期3Q(2023年10月1日~12月31日)に『ソニックスーパースターズ』、『龍が如く7外伝 名を消した男』、『ペルソナ5 タクティカ』をリリースしています。しかし、新作の売上高においては昨年の同期間にリリースした『ソニックフロンティア』と『ペルソナ5 ザ・ロイヤル(リマスター版)』を追い抜くことができませんでした。
エンタテインメントコンテンツ事業の営業利益率が21ポイント下がる
セガサミーはコロナ禍で遊技事業が大打撃を受け、2021年3月期の売上高が前期比24.2%もの減少に襲われますが、その後は堅調に推移しています。1桁だった営業利益率は10%まで回復。2023年3月期は12.0%でした。2024年3月期は下方修正をしているものの、予想通り着地すると11.0%と急悪化しているようには見えません。
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※決算短信より筆者作成
しかし、会社の主力事業で売上高のおよそ6割を占めるエンタテインメントコンテンツ事業を、四半期ごとに細分化すると見え方はまるで異なります。セガサミーはクリスマス商戦前の10~11月に強力なタイトルをリリースする傾向があります。従って3Qの売上高、営業利益が他の時期に比べて膨らむのが普通です。
前期(2023年3月期)3Qの売上高は前年同期間比39.5%増の675億円、営業利益は2倍の227億円でした。2022年11月8日に発売した『ソニックフロンティア』の世界販売本数が12月末までで290万本、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル(リマスター版)』が同じく発売から2か月ほどで130万本を突破して勢いに乗っていた時期です。
四半期単体の営業利益率は33.6%にも上っていました。
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※決算補足データ集より筆者作成
2024年3月期3Qの売上高は前年同期間比4.0%増の702億円、営業利益は同60.8%減の89億円となりました。営業利益率は12.6%と、21.0ポイントも下がっています。