ゲーム攻略メディアGameWithとGunosy（ゲームエイト）に注目―7月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】

7月はGameWithやゲームエイトを傘下に持つGunosyが本決算の発表を迎えます。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

連載「ゲーム企業の決算を読む」はこちら。

減収のGameWithと増収のゲームエイトの行方は？

7月10日はゲーム攻略サイトのGameWith、7月12日はGunosyの本決算発表日。どちらもゲーム攻略サイトを運営していますが、GameWithは不調、Gunosyの子会社であるゲームエイトは好調という逆転現象が起こっています。

GameWithは2024年5月期3Q（2023年12月～2024年2月29日）単体の売上高が、前年同期間比6.7%減の8億4,600万円でした。タイアップ広告では新作モバイルゲームのリリース減によって収入が縮小。ネットワーク広告はPV当たりの広告単価が低下した影響を受けています。収益基盤となっているネットワーク広告の売上減は特に顕著。4Q（2024年3月1日～2025年5月31日）単体のメディア事業の広告収入が回復しているかどうかが注目のポイントとなるでしょう。

Gunosy本体は苦戦しているものの、ゲームエイトは好調です。2024年5月期3Q単体のゲームエイトの売上高は5億7,200万円で、前年同期間比21.7%もの増加。ゲームエイトは国内、海外メディアともに収益性が向上しています。

負ののれんが生じて一時的に収益力が上がっていたケイブ

7月16日は『ゴシックは魔法乙女～さっさと契約しなさい！～』のケイブが2024年5月期（2023年6月1日～2024年5月31日）通期の決算を発表します。同社は2022年9月に『モンスターストライク』を開発したでらゲーを連結子会社化しています。そのため、2023年5月期の売上高は前期の7倍となる69億6,300万円に急拡大していました。

6期連続営業赤字という不名誉な状況から脱し、2億4,300万円の営業利益を出しています。

ただし、買収には負ののれんが生じていました。負ののれんとは、買収額が被買収企業の純資産額を下回っていた場合に発生するもの。その差額を営業利益として処理するのです。従って、2023年5月期のケイブは買収によって生じた一時的な利益が上乗せされていました。2024年5月期第3四半期累計（2023年6月1日～2024年2月29日）の営業利益は7億4,100万円で、前年同期間を1億3,000万円下回っていました。

通期の決算発表は、でらゲーを買収したケイブの実力を判断する注目度の高い内容です。

サイバーステップは赤字から脱出する方針を示すことができるか？

7月16日はクレーンゲーム『トレバ』のサイバーステップが本決算を発表します。

サイバーステップは2023年5月期の売上高が前期比45.3%減の40億5,700万円、11億5,800万円の営業損失（前期は13億5,300万円の営業損失）を計上していました。売上の減少ペースは凄まじく、2期連続で大赤字を出しています。

2024年5月期第3四半期累計（2023年6月1日～2024年2月29日）の売上高は、前年同期間比26.6%減の22億5,200万円、12億2,100万円の営業損失（前年同期間は8億5,300万円の営業損失）となりました。今期は赤字幅が広がっています。

サイバーステップは2024年2月末時点で保有する現金及び預金が11億1,300万円。前年から10億円以上が消失しています。増資などによる資金調達を重ねているものの、キャッシュ切れという最悪の事態も視野に入りました。

資金調達を継続しつつ、赤字を回避して本業で稼ぐ力を取り戻す方針を打ち出すなど、難局を脱する道を示すときがきているでしょう。